出版社内容情報
ヒトの攻撃性は、はたして〈生まれつき〉か、それとも育った環境で〈獲得されるもの〉か--。
一対一の決闘では、相手にはそれ相応のケガを負わせ、逆に自分の損傷は小さくしたいと
だれもが考えるが、人類のこぶし(手)と顔はまさにそうなるよう進化したという説もあるとか。
〈暴力〉は人類が太古からもっている特徴のひとつで、時代や地域をとわず存在してきたが、
あらゆる集団や個人が一様に暴力的ということはなく、各時代・各地域によって〈差〉がある。
また一般的に、時代をさかのぼるほど暴力的だったと、とりわけ欧米では考えられているが、
近・現代史をたどることで本書は、かならずしも暴力が減少しているとはいえないと主張する。
対人暴力やジェンダー暴力、集団的暴力や宗教的暴力、過去から現代の暴力まで、
多様な暴力に光をあて、それこそ暴力について多様な考え方があることを知る一冊。
内容説明
「暴力は絶対反対!」「だったら、どうする?」反対するためにも考えたい《暴力》のこと。「問題は、目に見える〈暴力〉だけではない」「あまりにも、ありふれて〈ある〉ことに、あらためて気づかされる」それぞれの時代や社会によって、とらえ方までも変わる〈暴力〉。その多様で複雑な側面を理解するための一冊。
目次
1 暴力、その過去と現在
2 親密関係間暴力とジェンダー暴力
3 対人暴力
4 聖なるものと世俗的なもの
5 集団的・共同体的暴力
6 暴力と国家
7 暴力の性質の変化
著者等紹介
ドワイヤー,フィリップ[ドワイヤー,フィリップ] [Dwyer,Philip]
オーストラリアのニューカッスル大学歴史学部教授、同大「暴力研究センター」創設ディレクターのち所長。ナポレオンの伝記(3巻本)など、フランスの革命期および第一帝政期について幅広く執筆している。現在、暴力の世界史と偶像破壊運動(イコノクラズム)史の執筆に取り組んでいる
荻野哲矢[オギノテツヤ]
1978年生まれ。翻訳者。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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