出版社内容情報
オクスフォード大学出版の知的教養シリーズより、多様性の現代でしっかり認識しておきたい人種差別の歴史と現状、今後について解説。
内容説明
本書はレイシズムの歴史をひもとき、その最新研究をふまえながら“現在進行形のレイシズム”を考察する。自分をとりまく「世界」がどんな難題をかかえているか。それはなぜ起こり、どうしたら解決できるのか。
目次
1 “人種”と人種主義―ことば遊びのような難問
2 帝国主義、大量虐殺、そして人種の“科学”
3 科学的レイシズムの終焉
4 人種化、文化的レイシズム、宗教
5 構造的レイシズムとカラーブラインドの白人性
6 インターセクショナリティと“暗黙”あるいは“無意識”の偏見
7 右翼政党のナショナル・ポピュリズムの台頭とレイシズムの今後
著者等紹介
ラッタンシ,アリ[ラッタンシ,アリ] [Rattansi,Ali]
ロンドン大学シティ校社会学部客員教授。レスター大学、公立通信制のオープン大学でも教え、ケンブリッジ大学ジーザス・カレッジ客員研究員、米国ウィスコンシン大学マディソン校客員教授でもあった
久保美代子[クボミヨコ]
翻訳家。大阪外国語大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ブルーツ・リー
6
レイシズムについて学ぶ。 イギリスの原本なので、主にユダヤ人差別や黒人差別について書かれていた。 「14歳向け」に書かれているためか、日本に居ても、新聞を読んでさえ居れば常識的に分かる事が多かったが、しかし、日本の14歳は絶対に新聞なんか読まないし、社会にも関心が無いから、イギリスの子供は優秀だと思う。 結局、先祖代々の意識でユダヤ人や黒人を差別してしまうとの事で、リベラルである事が推奨され、ポピュリズム右派を「敵」とする感じだった。 レイシズムに反対すると、リベラルを応援するしか無くなるのかなあ…?2023/01/29
アカショウビン
5
「人種」は生物学的な事実というよりも社会構造の一つである…驚きました。そして近代は「人種の」攻撃とともに始まるわけです。今は共同体の間の敵意は、人種ではなく文化を理由とするようになったが、それはレイシズムをかわす策略である。トランプ氏の「make America great again」は犬笛形態のレイシズムである。ルペン氏は自民族中心主義として自然なものとしてのレイシズムを導く。オバマは、黒人運動を衰えさせた新自由主義と位置付けるCornel West。「自分たちの国でよそ者になる」のは我国も近いかも。2024/12/10
一彩
2
「答えを決めるのは,たいていの場合,白人の側であることをしめしている」なんだ。2021/08/11
Go Extreme
2
人種と人種主義ーことば遊びのような難問 帝国主義、大量虐殺、そして人種の科学:人種、自然、そして生 奴隷解放の問題 人種の科学 科学と病理学 オリエンタリズムと人種 ホロコーストの教訓 科学的レイシズムの終焉 人種化、文化的レイシズム、宗教:人種とエスニシティ レトリックと否認 イスラモフォビア 構造的レイシズムとカラーブラインドの白人性:みているが見えていない カラーブラインド インターセクショナリティと暗黙あるいは無意識の偏見 右翼政党のナショナル・ポピュリズムの台頭とレイシズムの今後:ポピュリズム2021/07/17
目黒
1
日本人の14歳にはまだ理解するのが難しいのでは?と思ってしまうほど内容に専門知識を必要とする単語が多く出てくることはこの際置いておいて、主に欧米における差別問題の複雑さや問題点について浅はかながらようやく理解が及びました。ステレオタイプから偏見へ、偏見から差別への道筋は案外近いところにあるのだと感じ、自分も多分に内包しているであろうステレオタイプに改めて気を付けていかなければと思いました。2024/02/22