内容説明
日がしずむと、くらやみが広がる。くらいのはこわい?…でも、まっくらの中でしか出会えない、とびきりステキなものがある―楽しい文章と、何百もの穴で影と星をかたどった美しい絵本。ちいさいあながどっさりあります。世界各国で翻訳!めくって楽しい穴あき絵本。
著者等紹介
ミルボーン,アンナ[ミルボーン,アンナ] [Milbourne,Anna]
イギリス在住の絵本作家。60冊以上の絵本を出版している。日本国内でも数多くの絵本が人気
リエリー,ダニエル[リエリー,ダニエル] [Rieley,Daniel]
イギリス在住のフリーランスイラストレーター。旅や「毎日の冒険」からインスピレーションを得て創作活動を行っている。色鉛筆、水彩画、インクなどとデジタルを主に使用
青山南[アオヤマミナミ]
福島県生まれ。翻訳家、エッセイスト。アメリカ現代小説の翻訳と紹介を行う一方、絵本の翻訳を幅広く手がけている。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吉田あや
72
先ず以て、(そんなに)とカッコつきで強がるところからして可愛さ満開。日が沈み、暗がりがどんどん大きく広がって、真っ暗な世界に包まれていくのが怖いボク。明るい家の中でもあちこちに待ち構え立ち昇る、影、影、影。そんなボクを変えてくれたのは、キャンプのテントから見た満点の星空。ビロードのような夜の毛布に包まれて空一面に広がる星たちが、怖く感じられる夜の陰影は、怖いんじゃなくて光が楽しく見えるんだよとポジティブに変換してくれる。(⇒)2020/08/30
seacalf
39
「ちいさなあながどっさりあります」と表紙にあるが、その表紙からもう穴がボコボコあって期待しちゃう。楽しい仕掛けが施された切り抜きがたっぷりあるので目移りするほど面白い。それだけで真っ暗闇に対する怖さも小さくなって好奇心が膨らんできてワクワクしてくる。主人公の男の子の語り口もキュートで可愛くて上手く出来ている絵本だなあ。こんな風に見事に暗さを克服出来るかどうかはわからないけれど、これから先に子供と星を見たり色んな体験をして彼の気持ちに寄り添ってみたいものだなと夢が膨らんでしまった。2023/12/20
ヒラP@ehon.gohon
29
闇の中に見えるものは何でしょう? 至るところに穴のあいたしかけ絵本が、想像力を刺激してくれます。 真っ暗になると見えないものが見えてくる。それが何かわかってしまうと、そんなに怖くなくなるかも知れません。 おまけに暗くならなければ、こんなに見えることのない星空まで登場して、暗闇の楽しさも少し感じました。2021/07/12
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
18
本当は暗いのが怖い男の子。でもみんなの手前そうは言わないし、自分でも(そんなに)とつける位かっこつけている、男子あるあるなところが可愛い。表紙に「ちいさいあなが どっさり あります」とあるほど、どっさりなあなあき絵本。形の違うあなたちは、何か恐ろしいものに見えたりします。後ろからライトを当てたらキレイです。ラストのあなから見えたものにドキッとしました。2021/02/03
遠い日
7
とても繊細な変形の穴あきしかけが楽しい。夜の闇に対する気持ちのあれこれ。怖いと思う気持ちが闇を感じ、闇を観察するうちに徐々に変化し始める。キャンプに行った先で、闇に浮かぶ満天の星を見たことで、闇に対する気持ちが少しだけ変わる。不思議な夜の世界。その中で息づく生き物たちのへ気配。闇への親しみがぼくを変える。2021/01/17