内容説明
西洋文化と邂逅し、日本が近代国家としての道を歩み始めた明治・大正期。この時代には、英語のみならず、仏語や独語の中等教育導入についても激しい議論が繰り広げられていた―。本書では、近代以降の外国語教育をめぐる議論の内実やその目的の変化、教育政策決定過程を丹念に辿ることで、わが国の外国語教育が「英語偏重」へと陥った歴史的経緯を明らかにする。温故知新の精神で、現代日本の「外国語教育」のあり様に鋭くメスを入れた一冊!
目次
序章 「英語偏重」の外国語教育 研究課題とその背景
第1章 現在から過去へ
第2章 教育関連法規にみる外国語の位置づけ
第3章 1880年代から1910年代の高等学校入学試業と外国語
第4章 1898年全国中学校長会議:英語かドイツ語か
第5章 高等教育会議と明治期中学における外国語教育
第6章 教育調査会における学制改革案と外国語教育の方針
第7章 研究課題の考察と結論
著者等紹介
下絵津子[シモエツコ]
近畿大学総合社会学部教養・基礎教育部門教授。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。ニューヨーク州立大学バッファロー校教育学研究科教育学修士(TESOL専攻)。東京外国語大学外国語学部英米語学科卒業。鹿児島県立鶴丸高等学校英語教諭、宮崎公立大学人文学部国際文化学科講師、近畿大学語学教育部講師などを経て、2020年4月より現職。専門は英語教育学・言語教育政策(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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