内容説明
「貴様は…死んだはずだ…」断末魔の敵が指さす前で、血染めの剣と青白い月のごとき美貌を誇る怪剣士。将軍家指南役にして幕府総目付たる柳生但馬守宗矩―彼には3人の息子がいた。長男・十兵衛三厳、三男・主膳宗冬。そして次男・刑部友矩は、若くして亡くなった。だが、彼は甦っていたのだ。しかも、「離魂術」によって蘇生したもうひとりの自分(ドッペルゲンガー)を操る存在として。この世にありえぬ妖剣を操る第二の刑部を、但馬守は幕府の火急なトラブルを解決すべく送り出す。その行方に立ち塞がる奇怪なる敵とは―。将軍家光の脳を別人のものと入れ替えんとする怪医師フランク・N・スタイン。柳生とともに将軍指南役の座にありながら、一派統一の計に応じて牙を剥く小野派一刀流総帥・小野次郎右衛門忠常。そして、仙台藩の暗躍に再び登場する怪医師スタイン。二人の刑部は彼らと打ち破れるのか!?菊地時代小説の決定版!
著者等紹介
菊地秀行[キクチヒデユキ]
1982年『魔界都市“新宿”』(朝日ソノラマ)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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