内容説明
稀代の魔術師アブドゥル・アルハザードが幻視した人類以前の呪われた都市、そこには忌むべき者たちの亡霊が潜むという。『無名都市』を舞台に繰り広げられる3つの物語。クトゥルー神話に捧げるオマージュアンソロジー第8弾!
著者等紹介
岩井志麻子[イワイシマコ]
1986年『夢みるうさぎとポリスボーイ』より作家デビュー。以後、ホラー、恋愛、少女向けの作品を精力的に発表している。2000年、ホラー小説『ぼっけえ、きょうてぇ』で山本周五郎賞を受賞。バラエティ、トークショー、映像作品への出演と幅広く活躍している
図子慧[ズシケイ]
1986年「クルトフォルケンの神話」(『コバルト・ノベル大賞入選作品集4』収録)でデビュー。好きな作家は藤沢周平で、彼の文章を手本に本格的な作家活動に入る。少女向け作品からホラーまでを手がける
宮澤伊織[ミヤザワイオリ]
練馬区にある冒険企画局に所属する小説家。2011年、角川スニーカー文庫から伝奇アクション小説『僕の魔剣が、うるさい件について』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sin
33
岩井志摩子:ぬらぬらと続く独白に絡め捕られて読み進む“ぼっけえ、きょうてぇ”のある意味現代版か、これをクトゥルーの範疇に加えるべきか疑問。図子慧:ありふれた筋書きと高をくくって読み進むも思いの外の面白さ、雷の効果と結末の落し方が特に良かった。宮澤伊織:TRPGのリプレイであるが、参加者は個性的なキャラクターが見える方々なので過去に読んだリプレイと違って疎外感を感じることなく好印象であった。編集後記(今回はナシ):あの頓珍漢な編集後記が見られないのがある意味残念。2014/08/25
眠る山猫屋
14
クトゥルーに拘らなければ楽しめるかな?岩井先生は流石の崩壊っぷりで、久々に堪能させていただきました。図子さんは初読みでしたが、読みものとしては、一番楽しめたかも。そして予想外に、最後のシナリオプレイが面白かった!2015/07/28
NEED LESS
4
アラブの砂漠に存在した爬虫類じみた匍匐生物の住処であった遺跡での恐怖を描くラヴクラフトの「無名都市」をテーマにした3つの作品集。「無名と死に捧ぐ」は嘘吐きで最低の母親から天井の低いあばら家で「嘘をつくと口が曲がる」と育てられた少女が、母親と同じ嘘吐きの売春婦となり堕ちてゆくさま、「電撃の塔」は著名なカメラマンの父を持つ主人公が無惨な死を迎え、過去に父にヌード写真を撮影された少女モデルと共に怪異に巻き込まれる主人公が描きます。「無明の遺跡」はTRPG「インセイン」のリプレイ。お気楽な雰囲気で笑えました。2014/11/27
fried_bogy
2
図子慧さんの話と出会えたのが一番の収穫。2018/04/22
アオイ模型店
2
「クトゥルーのリプレイを掲載」って言うから、てっきり「クトゥルフの呼び声」だとばかり思っていたら違った・・・・・・少々拍子抜けしてしまい、最後まで俺の中でその辺を持ち直せなかったせいか、全般的に不完全燃焼な読後感になってしまった。2014/09/20