内容説明
松田竹男は「人間の脳に短時間で大量の情報を注入する」ための研究を行っていた。装置の名は「対人間収量情報技術実験装置」。自らを被験者として得た情報は…半ポリプ状の怪物が空を飛び、円錐状の肉体を持ち、その頂上から四本の肢が生え、そのうちの二つには鋏状の手が、一つには頭部らしき三つの目が、残りの一つはラッパ型の何かの器官を持った生物が棲まう世界のものだった。(『大いなる種族』)。県職員である私は極秘任務のため隣県へ向かう列車に乗っていた。突然列車が止まった。市兵による巡検であった。隣りに座っていた女に導かれ間一髪を逃げ延びるが、翌日逃走したルートを辿って目にしたものは、似てはいるが昨日とは全く違ったものだった。古の神々の対決が数億年の時を越えて現代に甦る!(『魔地読み』)。底知れぬ暗い空間を、私は落下していた。上も下もなく、前も後ろもない、無限の奥行きのある暗黒の空間。何かにぶつかって停止し、突如感覚の洪水が襲ってきた。様々な感覚が統合されたとき、私は雨の降る中、山道で車を走らせていた。だが、なぜ?山本弘22年ぶりのゲームブック!(『超時間の檻』)。1つのクトゥルー作品をテーマに3人の作家が小説、ゲームブック、漫画などの様々な形で競作するオマージュ・アンソロジー・シリーズ。第4弾は『超時間の影』に捧げる。巻末には原作の冒頭(荒俣宏訳)を掲載。
著者等紹介
小林泰三[コバヤシヤスミ]
1962年生まれ。1995年、クトゥルー神格名が登場する『玩具修理者』で日本ホラー小説大賞短編賞を受賞し、デビュー。SF、ホラー、ミステリー、恋愛と幅広いジャンルで長編、短編小説を執筆
林譲治[ハヤシジョウジ]
1962年生まれ。1995年『大日本帝国欧州電撃作戦』(共著)でデビュー。日本海軍に詳しく「架空戦記」を主に執筆する他、ハードSF作品も数多く発表している
山本弘[ヤマモトヒロシ]
1978年奇想天外SF新人賞佳作受賞の「スタンピード!」でデビュー。1988年に長編クトゥルー小説『ラプラスの魔』(同名ゲームソフトのノベライズ)を発表する。2011年『去年はいい年になるだろう』で星雲賞日本長編部門を受賞。SF、ファンタジー小説を多数執筆するほか、ゲームデザイナーとしても活躍している。また「と学会」の会長を務め、トンデモ本や、オカルト関係の書籍、雑誌、ムックへの寄稿も多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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活字スキー
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龍牙 襄
Yotaro Takahashi