内容説明
中国共産党は、日中戦争・国共内戦・朝鮮戦争を通じ、国民の総動員に成功し、一党独裁の権力を築いた。しかし、その過程で多くの矛盾・軋轢が起きていた。本書は、そうした矛盾・軋轢の過程でいままで埋没させられてきた動きや声を発掘し、中国現代史の再構築をめざす。
目次
序章 中国戦時秩序の生成をめぐる視角と射程―本書のねらいと内容
第1章 日本陸軍の中国観―大本営陸軍部・北支那方面軍作製の戦訓マニュアルをめぐって
第2章 兵役負担と都市社会―戦後内戦期の上海、徴兵制導入の衝撃
第3章 華北農村社会と基層幹部―戦後内戦期の土地改革運動
第4章 中国知識人の「社会像」―1930~40年代の王造時・章乃器・費孝通を素材として
第5章 戦時下日本における農村人口論争―日中戦争~アジア・太平洋戦争期
第6章 台湾における中国国民党の社会調査―外来の独裁政権は現地社会をどう解釈したのか?
第7章 組織される徴税―1950年代初期、上海の共産党と商工業者
第8章 戦争、謡言、社会―建国初期中国におけるプロパガンダ・ネットワークの拡大
第9章 民間信仰と「革命の伝説」―祈雨、変天、神水・神薬を巡る建国初期中国の民衆と権力
第10章 キリスト教の革新運動と教会の政治化―1950年代初頭の福建省の事例から
著者等紹介
笹川裕史[ササガワユウジ]
1958年生まれ。上智大学文学部、教授。主要業績:『銃後の中国社会―日中戦争下の総動員と農村』(奥村哲と共著)岩波書店(2007年)、『中華人民共和国誕生の社会史』講談社選書メチエ(2011年)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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