内容説明
考えるな!感じろ!西洋哲学に伍すべき、東洋の叡智はなにかといえば、それは荘子の万物斉同の哲学だ。実在の世界はどういうものであり、そこで人間が生きることはどういうことか、を論じたものだ。SNSにがんじ絡めになっている現代社会だからこそ、荘子の哲学のエッセンスであり深奥である斉物論篇を読み解く。現代語訳だけでなく、原文・書き下し文を記す。原文には訓点を付す。書き下し文には懇切なルビを付す。学問的に正確に読みながらも、なんらの予備知識をも前提とせず、かならず理解できる!
目次
端書き
序章
天籟の章
真宰の章
道枢の章
寓庸の章
滑疑の章
無適の章
葆光の章
至人の章
天倪の章
物化の章
終章
奥書き
著者等紹介
山田史生[ヤマダフミオ]
1959年、福井県生まれ。東北大学文学部卒業。東北大学大学院修了。博士(文学)。現在、弘前大学教育学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nekota
4
理解しようと思えば思うほど己の知能の無さ故に理解から遠ざかるので、考えるな感じろ!スタンスでとりあえず読了。荘子の思想ってフワッと分かりやすい楽観主義的に捉えていたけど、斉物論を細かく読み解くことは極めて困難で、さらに著者を含む識者や研究者の解釈も様々なようで益々理解不能に。最近なんだか東洋哲学がフォーカスされているようだけど自分に都合の良い、わかりやすい側面だけ見て理解したような気でいたなと実感。しかし…むしろそっちのがラクだったかな?なんて気もする。 でも読んで良かったのは間違いなし。2025/08/16
にょっち
1
あとがきが良かった。 「いくら読んでも荘子の哲学の何たるかは分からない。 分からないなりに、繰り返し読んでいると解りたいという気持ちが募ってくる。 分かることと同じくらい分からないことも大事ってことだろう。 分からないことは、自分が何をやるべきかを示してくれる。 分からなさと時間をかけて付き合うことが、いつか分かるための唯一のやり方だ。」 この文章を読んでなかったら絶対途中で挫折していた。 分からなくても良いんだと思い、一応最後まで読めた。 結局さっぱり分からなかったがきっとそれで良いんだろう。 2025/06/24