感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
spatz
10
このような知見を一般に公開してくれることをありがたく思う。そして、このような内容が大学一年生18歳に向けての講義だということに驚く。これからを担う若者への講義なので、導入だとしても深くて厚い。そして、文系理系、というのが厳密には分けるべきものでない、とも感じる。著書を読んだことがあるのは國分さんだけだったのだ(千葉さんとの共著)が、それぞれに興味深い講義だった。自分には難解な部分も多かったのだけど(大学生向けなのに)読み応えのあるものでした。哲学を学びたいと思った。#NetGalleyJP 2022/08/24
かんがく
8
東大生向けに様々な専門家が「30年後」について語った講義をまとめたもの。過去と現代と未来について、様々な気付きを得ることができた。文学に関する言及が多く、AIやら何やら発展して、最後に人間に残るのは文学なのかなとも思った。2022/04/22
May
6
本書の本質は「どのような」ではなく「どのように」。必要な知識があって考えるのでなければ、考えとすら言えない勘になってしまう。その意味では、想像することはかなり難しいし、そもそも市井の者にすぎない私には無理かもしれない。せいぜい、本書などを読んで、世の中にはこういうことを考えている人がいるんだなぁ、と思うことしかできない。まぁ、趣味の読書ってそんなものだけど、と思ったりしながら、語られる内容を興味深く読む。グローバルヒストリー、人新世、世界哲学なんかは関連書(新書程度であればだけど)読んでみたい。2021/11/23
あっきー
5
30年後の世界について様々な角度から語られた東京大学の講義をまとめてオムニバス的に収められている。AIやヘルスケア、歴史、被災と人新生。重要な課題について優しく語られている。個人的には人新生の時代をどう生きていくかに興味を持った。2021/11/19
Go Extreme
2
不確実性に満ちた世界 偶有性の連鎖 世界人間学という新フロンティア 哲学の実践的性格 他者との関係性 小人国への旅 プーメラン効果 人新世の時代 秘密の概念 言説の政治 大同思想の理想 天下システムの構想 江湖という流動的社会 事実の解釈と構築 数字を見抜く力 脳の可塑性 意志による文脈の断絶 潜勢力と非の潜勢力 津波てんでんこの原則 仁という唯一の規範 礼による感情の訓練 パノプティコンの監視 ヒューマニズムの二義性 分人と圏世界 仲間という水平的関係2025/05/13