内容説明
専門的な物理学を学んだことのない、一般を対象にして、最前線の宇宙研究には欠かせない量子論(量子物理学あるいは量子力学)の世界観を、概観。むずかしいはずの物理学の言葉と、こころにしみる詩の言葉が、ふれ合い、遠い宇宙のかなたのお話と、いまこの瞬間の目の前の風景が、やさしく、しずかに、一つになる。
目次
1時間目の授業 夜空の星は、なぜ見えるのだろうか?
2時間目の授業 「光の正体がわかる」ことの意味
3時間目の授業 素粒子から宇宙の誕生まで
4時間目の授業 「不確定性原理」で何が「変わる」のか
5時間目の授業 「あたりまえ」が「あたりまえでなくなる」とき
6時間目の授業 「量子論」が明らかにした宇宙のはじまり
著者等紹介
佐治晴夫[サジハルオ]
1935年東京生まれ。理学博士。鈴鹿短期大学名誉学長。日本文藝家協会会員。大阪音楽大学大学院客員教授。元NASA客員研究員。東京大学物性研究所、玉川大学、県立宮城大学教授などを経て、2004年から2013年まで鈴鹿短期大学学長。量子論に基づく宇宙創生理論に関わる「ゆらぎ」研究の第一人者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さばずし2487398
8
不確定性原理という言葉を初めて知った。 目に見えなくても名前をつける事で考える事ができるという事、仏教の世界が量子力学と似ているというのも神秘的だし、原子、分子でできている限り脳も心も不確定に揺らぐ筈、という話も面白い。精神論ではなく、美しい式で不確定性を表すと不可能も可能に思えて来る。常に不確定の揺らぎがあるなら、人間の可能•不可能の差も宇宙から見れば相当小さいものかもしれない。『分かる』は文字を入れ替えて『変わる』になる。素敵な一文だった。2020/01/07
たっこ。
4
6時限の授業風に量子論を易しく解説した本。数式はほんの少し。丁寧に考えれば付いていけなくはない感じ。それよりも考え方や発想がなじみがなさすぎてはじめのうちはなにがすごいのかが分からなかった。しかし、だんだん驚きが増してくる。良い授業を受けました。文学の素養まで援用して、世界の成り立ちのミクロから宇宙まで一貫する美を見る目を与えてもらった気がします。2015/02/14
けんた
2
この世の中の最小単位である量子にまつわる不確定性原理をから宇宙へ論を展開する本書は、数学の知識に乏しい私には少々難解であり、各時間に展開される数式は眠気を誘う呪文にしか見えなかった。が、6時間目「星の王女様/王子様」という着眼点はなるほどと膝を打った。まさか自分のルーツが星の王子様だとは思って読んでなかったので、その視点で持って再読したい。小難しさも相まって、なかなか読み進められなかったが、本書の推薦人が、どのような点に惹かれたかについて思いを馳せると、読書体験は一層深くなる。2022/02/07
ゆきじ
2
数学でしかあらわせないものがこの世界を作っていてたまるか、と思っていた。数学が嫌いだから。この本はそんなわたしの想いを見事に汲んで、出来る限り数学を使わずに言葉で世界のはじまりを表現してくれた。わたしがあるから宇宙があることを理解できた。2017/01/20
hinotake0117
1
難解な量子論を、詩やさまざまな言葉も交えながらできる限り分かりやすく伝えようとする書。 計算式は難解だが、なんとなく自分あっての世界である、ということは伝わってくるのが不確定性理原理。 やはり世界は「関係」でできている。 https://t.co/mEVLPP9fDi2022/02/11
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