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内容説明
クロハのやきもちがだんだん強くなるのを感じながらも、ギンはユズや妹たちと楽しい日々を送っていた。しかしある日、チョウマバヤシ博士がギンに不吉な話をする。「君がクロハと結ばれないと、彼女は消されてしまうのだ―」歴史を左右する危険因子となったクロハに伸びる魔の手。愛するみんなと萌え文化のため、ギンは本当の未来を切り拓く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サイバーパンツ
14
正しい歴史と妹…世界をかけた選択、宙を舞う光るパンスト生命体……。そんなワイドスクリーンバロックじみた展開の中、語られるのは、あらゆる文化を認め合い、互いに共存し合えという普遍的メッセージ。このシリーズ、正直、二次元文化設定はもう少し活かせないかとは何度も思ったが、SFもイロモノもラブコメもセカイ系も文学も物語も全て回収し、1巻の頃から強く打ち立てていたメッセージに回帰させたのはお見事だし、文字文化の簡易化→記号化というのは、いま考えてみると、かなり先見性があったと思う。社会派SFバカラノベの傑作です。2016/12/03
シュエパイ
9
SFのような、文化論のような、それでいてパンストな、ラブコメディだったような・・・。正しい文学、正しい歴史、正しい人類・・・って何か?たいへんだ、何がなんだか私にも判らない。何か大きな歴史が動いて、HAPPYな未来を見つけたことだけは、判るのですが♪2012/09/05
ファーラス
8
衝撃。グランドフィナーレを見せつけられた。弱さを認めて、克つ。決めるところを、決めきる。パンストそのものとの壮絶な死闘の中にしっかりと5冊分の成長が見て取れ、今やヒロインにも読者にも主人公はヒーローとして顕現しているのである。「大幅に端折ることも、無理に引き延ばすこともなく、書きたいものの9割は書けた」と作者は語るが、読者としても実感があるから恐ろしい。アイデア、技巧、作家性、何一つ勝てる気がしなかったデビュー作は、一般小説含めても初めて。間違いなく希代の傑物である。伝説の誕生に立ち会えたのかもしれない。2012/08/24
zxcvdayo
8
すごい。ほんとすごい。古いものから順番に消えていくの下りとか震えた。1巻では突拍子もないアイディアのように見えた『現代文』の設定も、完全に計算されつくしてる。マジやばい。それだけにどうしても気になるのよ。ユズの立ち位置。いつの間に「過去」代表みたいになってるの?3巻から登場のアマネコは明らかに「未来」を意識して作られてたけど、そこでアマネコとやりあってたのはクロハでしょ。近代文好きってのも含めて「過去」はクロハの役割っぽかった。3巻までは。進みすぎてるギンの小説を訳すのもクロハの悲願じゃないのかと。 続く2012/08/11
リプトン
7
世界観、設定とかなりぶっとんでいたシリーズだったけど、上手くまとめ、きれいに締められ堂々の完結でした。SFのようでラブコメでもあり、それぞれの巻で文学観も語られていて、キャラもよく、シリーズ通してみても良作だったと思います。1巻の衝撃はすごかったですが、インパクトだけではなく、そこまで尻すぼみせずに、ギャグや小ネタも安定し無理な引き伸ばしもなく伏線も回収し、5巻で綺麗に終わらせたのは作者の実力だと思いますし、次回作も期待して待っていたいですね。2013/04/09