出版社内容情報
ヴァイマル時代、「司法権の独立」と「非政治」の名のもと、司法はナチ党に一定の理解を示し、ナチス「不法国家」成立後は「安楽死」政策等に加担していった。戦後、そのナチズム責任への対応は東西で分かれた。東ドイツでは司法への政治的介入を許し「司法権の独立」を喪失したために、司法のナチズム責任を徹底的に追及できたが、その厳しさは、基本的人権の蹂躙へと転じうる「両刃の剣」であった。一方、西ドイツでは「司法権の独立」を維持できたがために、司法の非ナチ化や司法犯罪の追及は不十分に終わり、ナチズム責任を問えたのは21世紀になってからであった。ドイツにおける司法と政治の歴史から、「司法権の独立」の意義と課題を考える。
【目次】
凡 例
プロローグ
第Ⅰ部 戦前期ドイツにおける法と政治
第1章 ヴァイマル憲法の影 「ライヒ強制執行」と「憲法の番人」としての大統領
第1節 ヴァイマル憲法の成立
1 ヴァイマル憲法の成立
2 ナチ党の発生
第2節 「ファシストの危険」と反ファシズム統一戦線
1 「ローマ進軍」とナチ党
2 「ファシストの危険」
3 反ファシズム統一戦線と経営評議会
第3節 労働者政府の成立と「ライヒ強制執行」
1 ザクセンとテューリンゲン両州における労働者政府の成立
2 コミンテルン・共産党中央とライヒ政府
3 「ライヒ強制執行」と労働者政府の崩壊
第4節 「ベルリン進軍」とヒトラー裁判
1 「ベルリン進軍」の挫折
2 ヒトラー裁判とドイツ司法
第2章 ナチ党の合法性問題とドイツ司法
第1節 第一次ライヒ・テューリンゲン紛争
1 フリックの入閣と警察の組織改革
2 警察補助金の打ち切りと紛争の勃発
3 警察補助金の打ち切り撤回
第2節 第二次ライヒ・テューリンゲン紛争
1 警察補助金の再度の打ち切りとナチ党の合法性問題
2 警察補助金の再度の打ち切りと国事裁判所への申立て
第3節 ナチ党の合法性問題とライヒ・テューリンゲン紛争の終結
1 ナチ党の合法性をめぐるライヒ・テューリンゲン紛争
2 ライヒ政府内におけるナチ党の合法性をめぐる意見の相違
3 国事裁判所の和解案とライヒ・テューリンゲン紛争の終結
4 国事裁判所の和解とナチ党の合法性問題
第3章 ヴァイマル共和国末期における国家非常事態計画
第1節 パーペン内閣期における国家非常事態計画
1 国家非常事態計画の始動
2 シュライヒャーの反対による国家非常事態計画の挫折
第2節 「破壊的不信任決議」不承認案と国家非常事態計画
1 「横断戦線」構想の挫折と「破壊的不信任決議」不承認案の登場
2 シュライヒャー内閣の国家非常事態計画
第3節 パーペン―フーゲンベルク闘争内閣とシュライヒャー
1 最後の国家非常事態計画としてのパーペン―フーゲンベルク闘争内閣
2 シュライヒャーのヒトラー内閣容認と入閣工作
第4章 ドイツ司法とナチス「不法国家」
第1節 ヴェーバーの支配の諸類型とヒトラーの政権掌握
1 ヴェーバーの支配の諸類型
2 「合法的手段」によるヒトラーの政権掌握
第2節 ナチス「不法国家」の始動
1 「共産主義の危険」と二つの大統領令
2 全権委任法の成立
3 ドイツ司法とブムケ<



