出版社内容情報
本書は,教師は専門職か労働者かという葛藤を抱えながら,教育改革を支える「当事者」となった韓国教員組合の活動を,歴史的経緯を踏まえ詳細に分析した初めての学術書である。韓国の激動の歴史の中で,教員団体が自らのプレゼンス・存在価値をいかに高め,労働者としての権利をどのように獲得してきたか,その一連の「試行錯誤」のプロセスを明らかにした。教師の権利を保障することが,子どもたちの学習権を守り,より良い社会を生み出す「制度的基盤」であることを,韓国教員組合の実践を通じて探究する。
【目次】
序 章 本書の目的
第1 章 国家公務員法における教員の地位
第2 章 教員労組結成の動きと「民主化」
第3 章 教育法改正運動の頓挫と教員地位法の制定
第4 章 教員労組法の成立過程
第5 章 二大教員団体による団体交渉の機能と構造
補 章 団体交渉プロセスにみる「教育自治」の可能性
第6 章 全教組法外労組事件をめぐる紛争と裁判
終 章 本書の意義及び今後の課題