出版社内容情報
幕末から明治初期にかけて思想家・官僚として活躍し、大久保利通や木戸孝充にも注目されながら、いまや忘れられた人物となりつつある神田孝平。彼は民衆を「愚民」と捉える当時の思想とは一線を画し、彼らを政治・経済の担い手と位置づけた。官僚、思想家としての活動に焦点を当て、彼の埋もれた業績を掘り起こし、その歴史的・現代的意義を明らかにする。
内容説明
大久保利通や木戸孝允が恐れた鬼才!民衆を統治すべき「愚民」ではなく政治・経済の主体的な担い手と位置づけた思想家がいた。歴史に埋もれた彼の業績を掘り起こし、その実像を提示する。
目次
序章 明治初期の思想史研究における神田孝平の位置づけ
第1章 神田孝平の経歴―出自と修学過程を中心に
第2章 神田孝平における「人民」
第3章 『農商弁』における「商」の「利」―税制改革論を中心に
第4章 幕末・明治初期の政治情勢と神田孝平の政治思想
第5章 明治初期における神田孝平の税制・財政改革案
第6章 神田孝平の兵庫県政―地方制度改革と「民会」開設を中心に
第7章 神田孝平「貨幣四録」の執筆・公表の目的
第8章 木戸孝允と神田孝平における「官」と「民」―新聞とのかかわりと政治観とを中心に
終章 神田孝平が描いた明治日本
著者等紹介
南森茂太[ミナミモリシゲタ]
1977年奈良県宇陀郡(現宇陀市)生まれ。2017年‐長崎大学経済学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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