出版社内容情報
本書は、帝政ドイツ・ヴァイマル共和国・ナチスドイツ、清朝・中華民国・「満洲国」、そして日本(大日本帝国)と、国家の形態や国家間の関係がさまざまに移り変わった近現代の「ドイツ?東アジア」関係に注目して、国家および国家以外のアクターが織り成した様々な関係の再構築を試みるものである。具体的には①財として、武器や農産物・阿片の貿易や製鉄所建設計画をめぐる交渉、②人間として、在上海ドイツ人コミュニティのたどった命運、③情報として、ドイツの対華報道・広報戦略に着目する。そしてこれら諸レベルの関係を担った官僚、経済人やジャーナリストらの動向から、激動の東アジア史の真実が浮かび上がってくる。
内容説明
ドイツを介して見えてくる激動の東アジア史の真実。19世紀末以降、ドイツ・中国・日本の間では外交や軍事面以外でも各国の戦略に基づいた様々な関係が構築された。官僚、経済人やジャーナリストらの動向から、戦争の世紀における「ドイツ=東アジア」関係の再構成を試みる。
目次
序章 課題と視角
第1章 中国武器市場をめぐる日独関係
第2章 製鉄製鋼設備・技術―ドイツ鉄鋼業と中国中央鋼鉄廠
第3章 中国に豆を求めて―戦間期ドイツ・中国関係のなかの大豆と落花生
第4章 阿片と独「満」関係
第5章 第二次世界大戦の終結と上海のドイツ人コミュニティ―「二つの中国」と「二つのドイツ」の成立を背景として
第6章 ドイツの対華プレス政策と中国の言論空間をめぐる争い―辛亥革命期を中心に