内容説明
東洋の真珠と呼ばれる世界文化遺産の街、マレーシア・ペナン島。イギリス植民地下で自由貿易港として発展したこの島を拠点に生きた華人が、19世紀末から20世紀初頭に東南アジアと中国で秩序が大きく転換したなかで双方の地における積極的な政治参加を通じて越境を生きた過程を、当時の新聞や雑誌など膨大な資料の分析により解明する。
目次
東南アジアの華僑華人をとらえる視点
第1部 海峡植民地の制度とペナン社会(海峡植民地ペナンの法的地位と多民族社会の構成;海峡植民地の制度に訴える華人越境者;華人系イギリス国籍者の認知をめぐるせめぎ合い)
第2部 海峡植民地の秩序構築への積極的関与(華人という集団性の認識と組織化―広福宮と華人公会堂;意思決定の場に代表者を送るための働きかけ―ペナン華人商業会議所を通じた交渉;ペナンの地位向上を求める民族横断的な協働―ペナン協会;民族内の不和が壊した多民族間の協働―納税者協会)
第3部 秩序転換期の中国との関係構築(中国との往来における安全確保―商業会議所ネットワークの活用;剪辮論争―多民族社会の中で模索する華人らしさ;辛亥革命期の資金的支援―秩序の混乱期における対応;中華民国の成立と新たな経路の構築―華僑連合会・華僑議員・共和党;越境を生きるための政治参加)
著者等紹介
篠崎香織[シノザキカオリ]
1972年千葉県千葉市生まれ。1994年、東京女子大学現代文化学部地域文化学科卒業。1999年から2001年にマレーシア・マラヤ大学人文社会学部歴史学科に留学。2005年、東京大学大学院総合文化研究科博士課程地域文化研究専攻単位取得退学。2007年博士(学術)学位取得。在マレーシア日本国大使館広報文化部専門調査員を経て、2009年より北九州市立大学外国語学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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