出版社内容情報
二次電池の主流となりながら、発火の問題を常に抱えるリチウムイオン二次電池に対し、安全性がきわめて高い全固体電池への期待が高まっています。なかでも日本の自動車メーカーは、EVでの遅れを取り戻そうと、全固体電池の開発を急ピッチで進めています。またEV大国となった中国では、全固体電池ほどではないものの、安全性の面で期待がもてる半固体電池の開発を急いでいます。本書は2024年6月時点での、全世界の全固体電池・半固体電池開発の最前線を踏まえ、その基礎知識から用途、メリット・デメリットなどをわかりやすく図解します。
内容説明
全固体電池と半固体電池の基礎から最新の製品動向まで。ゲームチェンジャーになる可能性を探る。
目次
第1章 より安全で高効率の電池を目指して
第2章 化学電池の原理と仕組み
第3章 二次電池の原理と仕組み
第4章 固体電解質
第5章 全固体電池
第6章 半固体電池
第7章 全固体電池車の最新動向
第8章 水素燃料電池
第9章 その他の次世代電池
著者等紹介
齋藤勝裕[サイトウカツヒロ]
1945年生まれ。1974年、東北大学大学院理学研究科博士課程修了。現在は名古屋工業大学名誉教授。理学博士。専門分野は有機化学、物理化学、光化学、超分子化学。著書は共著・監修を含め200冊以上(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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qwer0987
9
高校の化学の知識があればついて行ける内容でわかりやすくまとめられている。漠然と知っている内容がほとんどだが、まとめ方が手際よいので再確認にはちょうど良い。特に酸化物系と硫化物系の違いは正確にわかっていなかったので、メリットデメリットの説明はためになる。またリチウムイオン電池で正極のLiCoO2が結晶構造を保持したまま、Li+を放出するというのは知らなかった。いわゆるインターカレーションと思うが、実を言うとその有用性を今まで理解していなかったので、ここでしっかり把握できたのはありがたかった。2024/12/05
アマノサカホコ
9
東大阪市図書館。リチウムイオン二次電池には大きな問題が2点。膨張や出火の不安が常にある、海外に頼るしかないレアメタルの1つリチウムが使われている。火災のリスクを減らそうとするのが固体電解質で、難燃性の無機固体電解質を使う電池が全固体電池。投資家目線で普及するのか気になり借りてみた。全固体電池だけでなく、ナトリウムイオン二次電池や有機二次電池、レドックス・フロー電池など全固体電池のライバルになるかもしれない次世代電池も紹介されている。登場企業はX(旧Twitter)にて2024/09/14
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