内容説明
この本の中では、ダンスがどのように分裂病患者に応用され、そして受け入れられるかについて述べられています。患者たちは自由な雰囲気の中で自分を試し、その進歩を確認するように手助けされます。回復はもちろん、元の症状に退行する自由さえも認められます。そして最終的に患者は自分についての理解を深め、動きの種類が増えると内発的な行動を広げ、自閉的な自己を探り、感じたままに行動する自由性と他者とコミュニケートする準備ができるのです。
目次
1章 把手のないドア(出会い 「ああ、アリスト国王さま」;治療開始 「彼女はどの病棟から来たのかな?」;3回のセッションを振り返って ほか)
2章 運動の要素(呼吸 息を弾ませるのは動物だけか?;身体の直線性 意志をもつからだ;身体の中心性 その人らしさを表現する体幹 ほか)
3章 二つの世界の間で(即興と形式 竜とお友だちになって;ダンス ダンスは本当に治療に有効か?)
4章 ルーク(衒奇行動(マンネリズム)からの脱出 「男らしくってどうするの?」
あの山のかなたに 「黒くたって平気だ」)
著者等紹介
三井悦子[ミイエツコ]
1956年生。奈良女子大学文学研究科修士課程(体育学)修了。医療トレーナーとして病院勤務を経て、現在、椙山女学園大学人間関係学部助教授
川岸恵子[カワギシケイコ]
1955年生。奈良女子大学文学研究科修士課程(体育学)修了。現在、大阪府立病院、大阪府立こころの健康総合センターなどにおいてボディワークを担当
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