内容説明
日本の春を埋め尽くすソメイヨシノ。サクラの歴史から見れば新参者のこの樹種は、明治30年代に各地でさかんに植えられ、その後わずかな年月で日本を席巻する。しかし生来病気に弱く、60年ほどで死に絶えることから「ソメイヨシノ寿命60年説」が伝えられた。戦後に植えられた全国の名所で見られるソメイヨシノの多くが、いま、衰退の道をひたひたと歩んでいる―。大阪城公園から函館の五稜郭まで、76箇所の名所をサクラ前線とともに歩んだ著者が、「最古のソメイヨシノ」を擁する弘前をモデルケースにサクラを救う道標を探る。
目次
プロローグ 奇跡のソメイヨシノへの旅
第1章 滅びゆくサクラ
第2章 サクラ切るばか 弘前1
第3章 ソメイヨシノ寿命60年説
第4章 「お城とさくらとりんご」の町 弘前2
第5章 ソメイヨシノの哀しみ
第6章 公園に集う人々 弘前3
第7章 サクラはいま
第8章 日本一への道 弘前4
エピローグ 人が咲かせるサクラ、ソメイヨシノ
著者等紹介
平塚晶人[ヒラツカアキヒト]
1965年、北海道に生まれる。東北大学法学部卒業。出版社勤務を経て、94年、フリーランスのノンフィクション・ライターとなる。96年、「走らざる者たち」(『Sports Graphic Numberベスト・セレクション2』所収)により第4回ナンバー・スポーツノンフィクション新人賞受賞
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