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新風舎文庫
自動起床装置

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  • サイズ 文庫判/ページ数 220p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784797495577
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「…眠りの世界ではいろんなことが起きる。辛くて、狂おしくて、他愛なくて、突飛で、情けなくて…もう、すべてなんて言葉でおおえないほどすべてのことが起きる」ぼくと聡は、通信社の仮眠室で仮眠をとる人々を、快く目覚めへと導く「起こし屋」のアルバイトをしている。ところがある日「自動起床装置」なるものが導入された…。眠りという前人未到の領域から現代文明の衰弱を衝いた芥川賞受賞作。カンボジアの戦場への旅を描いた「迷い旅」と、巻末には日野啓三氏との対談も併録。

著者等紹介

辺見庸[ヘンミヨウ]
1944年宮城県石巻市生まれ。作家。早稲田大学文学部卒。1970年、共同通信社入社。北京特派員、ハノイ支局長、などを経て、96年末退社。78年中国報道で日本新聞協会賞受賞、91年『自動起床装置』で第105回芥川賞受賞。94年、世界30カ国をルポした『もの食う人びと』で第16回講談社ノンフィクション賞、JTB紀行文学大賞など受賞。メディア論、文明論を通じて時代への異議申し立てを続けている。2001年12月には、タリバン政権崩壊後のアフガニスタンを現地取材し、2002年3月には米国を訪れ言語学者で米政府の外交に異を唱えるノーム・チョムスキー博士らにインタビュー。2003年4月から翌年まで早稲田大学客員教授として母校の教壇に立った
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

133
芥川賞】宿直者の起こし屋の短期就労者。同僚が彼女を連れてクリスマスを祝うところまでは青春物。自動装置の導入で仕事が亡くなるかもという労働物。睡眠、覚醒、起床などの哲学的話題が最終的にどう結着がついたのかよくわかっていない。作品に出てくる製品としての自動起床装置の不十分性は、快適な起床が人によるばらつきがあることを十分に分析していないことから明か。ちゃんとHAZOPしようよ。2014/06/20

中玉ケビン砂糖

71
、『もの喰う~』も読んでいないので辺見庸がどこらへんに位置している作家か自分の中では曖昧(開高、小田実あたり?)なのだが、内容は割と興味深かった、JRに就職した友人と呑んだときに「詰所にあるわ」と言われてまだあるんだーと、仕掛けは作中のものと同じで、定刻になるとマットの下に設置した袋に空気がたまってふくらみ、体が反り返って苦しくなって起きるのだが、これが割と効くとのことで、分刻みのスケジュールを見せられたあとでは無理もないなー、と、、、2015/01/07

芍薬

11
眠りと起床の短編、プノンペンからパイリンに行く旅の短編の2編。後者の“迷い旅”の方が好みでした。異次元に連れて行かれるでも無く、時空を超えるでもなく、地続きで幻想世界にたどり着く様は新鮮でした。2012/05/18

スプリント

6
淡々とした文章のためか初読ではあまり印象に残りませんでした。舞台となる通信社の事情に少し通じているので起こし屋が成立しそうな点は理解できます。自動起床装置が「覚醒」ではなくまさに「起床」であることがミソですね。2014/05/25

kilioi

6
暗く深い水底から優しく浮き上げられるように、起こし屋さんに起こされたい。

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