内容説明
「仕事辞めちゃったのよ」―夫の姉・久里子がまた転がり込んできた。主婦・時子は無神経でルーズな久里子の行動がいちいち目障りで仕方ない。大切な「我が家」を侵食していく義姉の存在。時子のストレスは、いつしか殺意にまで上り詰める…。(「暖かい殺意」)“オール読物推理小説新人賞”最終候補作品二編を含む、松村比呂美デビュー短編集。平凡な女たちがありふれた日常の中で、ふと芽生えさせた殺意。それがどんどん葉を広げていく様をリアルな筆致で描いた“第4回新風舎文庫大賞ミステリー部門賞”受賞作、待望の文庫化。
著者等紹介
松村比呂美[マツムラヒロミ]
福岡県出身。2度にわたる“オール読物推理小説新人賞”最終候補を筆頭に、“そして文学賞”“九州さが大衆文学賞佳作”“コバルト短編小説新人賞佳作”など多数の文芸賞で入賞を繰り返す。アンソロジー出版への作品発表などを経て、“あさよむ携帯文学賞佳作”受賞をきっかけに携帯電話での小説配信も始め、iモード公式サイト『乗換案内』(ジョルダン)内の「読書の時間」にて携帯小説を配信中。04年8月に『女たちの殺意』で“第4回新風舎文庫大賞ミステリー部門賞”を受賞
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感想・レビュー
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さっこ
41
初読みの作家さん。5編からなる短編集。ページ数も少ないので一気に読めました。程よくブラックで、どのお話も面白かったです。2019/02/11
Yu。
25
日頃の対人関係から生まれるストレスがふとした瞬間、彼女らを狂気へと走らせるという女性独特のじっとりな毒味が後を引く5つの物語。どれも特別な派手さはないが、著者の抜群なオチから垣間見れるセンスの良さにもう脱帽!というのも、よくあるシンプルな毒女劇で終わっていいところ、そうはさせない着地への並々ならぬこだわりにとことん酔わされるから。。。ちなみに本作に数倍攻撃力を増した同著者作品『恨み忘れじ』は超オススメ。2015/06/11
おくしょー
6
初読み作家さん。タイトルに惹かれて(´∀`*)ウフフ 「暖かい殺意」「茶箱」「カルシウム」「アレルギー」「どうしても」の5話からなる短編集。どれも面白かったー✨イライラ共感してみたり、まさかの結末にゾッとしたり。中でも「暖かい殺意」「アレルギー」「どうしても」が好みでした✨アレルギーは男性は読んだら恐怖かも💦「どうしても」は女性あるあるかなー。嫉妬、見栄、マウント取りたい、からの😫最後軽いどんでん返しがあってビックリした。他の作品も読みたい作家さんです。2019/10/18
くわい
4
「暖かい殺意」我が家に転がり込んで、我が物顔で居候し続ける義理姉の久里子。殺意湧いたわー。イライラする。こんな居候、私も無理。まあ殺意が湧くのと実行するのは大きな違いですが。 「どうしても」結婚したくてホームレスの男と籍をいれた美智子。結局は幸せな生活を手に入れた訳ですよね。その手段にゾッとします。他の3編は面白いといえば面白かったけど薄気味悪かった。2019/11/16
Aoi\(*ˊᗜˋ*)/
4
短編集。カルシウム、怖いなぁ。 潔癖の育美のきもちは分からないでもない。ただ異常すぎるきれい好きは大変かも。夫もけなすばかりでなく誉めてあげることすれば違うのにね。人間の骨の粉末と卵の殻の粉末って区別つかないものなのかな?見たことないから分からないし見るのも怖い。村松さんのデビュー作、ここからなんですね。他の作品も面白いです!2016/04/25




