新風舎文庫
冤罪の構図

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  • サイズ 文庫判/ページ数 342p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784797494266
  • NDC分類 327.6
  • Cコード C0195

内容説明

警察、検察、裁判官が自らの能力を過信し、傲慢になったとき、冤罪事件は簡単に起こる。曖昧な目撃証言のみによる逮捕、それに続く自白の強要。例え目撃者が証言を撤回したくても警察はそれを認めないという、信じられないような実例を、次々と紹介し検証する。「自白をすれば証拠をみせる」「(警察の)暴行の事実はなかったと信じている」。警察や裁判官の言葉から、捜査機関とは名ばかりの怠慢な姿勢と、麻痺した人権感覚が浮き彫りにされる。ジャーナリスト江川紹子の原点ともいえるルポ・ドキュメンタリー。

目次

警察が捏造した「目撃証言」
遅すぎた雪冤
裁判所が創作した「新事実」
「法医学鑑定」の欠陥部分
なぜ虐待される女性被疑者
なお残る警察の暴力的体質
接見禁止が招いた虚偽の自白
警官の証言は信用できるか
少年にも再審=名誉回復の機会を

著者等紹介

江川紹子[エガワショウコ]
1958年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。神奈川新聞社記者を経て、フリージャーナリスト。95年、一連のオウム真理教報道で菊池寛賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

だまし売りNo

33
人質司法が冤罪を作る。「「人質司法」は、裁判への出頭の確保という本来の目的を超えて、身体の自由や黙秘権、公正な裁判を受ける権利などの日本国憲法上保障された人権を侵害するものである。「否認する以上、釈放せずに取り調べを受けさせる」という運用は、長期間の身体拘束や長時間の取り調べによる苦痛を自白獲得の手段として用いるものと評価されてもやむを得ず、拷問の禁止にすら反する。無罪推定の原則や拷問の防止、弁護人立会権の保障などの様々な国際人権基準にも違反する」(「人質司法」からの脱却を求める法律家の声明) 2023/12/24

Ikuto Nagura

6
江川紹子のデビュー作。本書の9つの事件は、四大死刑冤罪事件や袴田事件のような死刑判決が出た重大事件ではない。発生時には捜査本部も置かれずに、マスコミも注目しない、いわば日常的な事件処理で起きた冤罪事件。それだけに登場する冤罪被害者たちの苦悩と実害は、全く他人事でない。共通するのは、警察や検察の自白強要、都合のよい証拠の解釈や捏造、または都合の悪い証拠の隠滅、そしてそれらを追認する判決しかしない裁判所。現状の制度下で冤罪から身を守る手段として思い付くのは、拷問に耐える修行をすることだけか。そんなの嫌だなあ。2015/04/21

e r i .

4
図書館。正義ってなんだろうな2015/09/13

アルクシ・ガイ

3
ゴシックホラー小説を読んでいるようでした。恐怖の館(警察、検察、裁判所)に囚われた人間が救われるのは、万に一度のチャンスしかない。たとえ逃げ出せても、館は変わらず森の奥にそびえており、今日も犠牲者を血祭りに上げる。話は変わるがつい先ごろ、交番で巡査部長が被疑者を射殺する事件がありました。発砲は正当だったと、ネットは大合唱です。これはおそらく無力な一般市民が、力を持つ警官におのれを重ねているからでしょう(俺も銃を撃って人を殺したい!そしてもちろん射殺したことを咎められたくない!)。2018/09/24

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