内容説明
昭和四十七年(一九七二)二月二十八日午後六時二十一分、長野県軽井沢の“あさま山荘”で、「連合赤軍」と名乗る五人の若者が、激しい銃撃戦のすえ逮捕された。いったい、何が、彼らにそのような行動をさせてしまったのであろう…。仲間の半分をリンチにかけて殺すという惨劇を白昼のもとにさらした“連合赤軍事件”は、この時代の若者たちの“革命幻想”を踏みにじってしまった。当時、戦後三十年の平和に慣れきっていた日本国民に衝撃を与えた大量リンチ殺人の真実を明かしたドキュメント。
目次
あさま山荘事件と重信房子
発かれるリンチ殺人事件
アジトを転々とする都市ゲリラ
“二流の幹部”森恒夫の台頭
地獄への特急キップ
凄惨きわまりない“女の闘い”
生きている“連合赤軍”の亡霊
日本赤軍、激闘の軌跡
青春の狼火
屈辱と敗北〔ほか〕
著者等紹介
角間隆[カクマタカシ]
1936年大阪市生まれ、金沢育ち。1959年東京大学在学中に上級職国家公務員試験に合格。1960年同大学卒業後NHKに入局。報道・社会番組、海外取材番組の制作に従事。1964年コロンビア大学ジャーナリズム大学院に留学。1980年に独立。現在は、ノンフィクション作家、評論家として250冊以上の単行本を出版するかたわら、国際ジャーナリスト会議(IJC)の理事長として宇宙規模の情報ネットワーク活動の構築・展開をしている
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感想・レビュー
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遥かなる想い
156
昭和47年に起こった 連合赤軍リンチ殺人事件を 扱った書物である。12人の若者が亡くなったこの事件の驚愕が今に甦る。いったい あの山の中で 何があったのか? 昭和40年代の 学生運動の歴史が 克明に語られる。なぜ 若者たちは 連合赤軍を結成し、武闘闘争に走り、そして 破滅したのか? そこそこ昔の心に痛い 作品だった。2020/03/15
テツ
17
この世で嫌いなものTOP3に入るくらいに学生運動とかいう甘ったれた革命ごっこをしていたボンボンたちが大嫌いなんですが、関係する書籍を読む度にどんどん嫌悪感が増していくから感心する。自分たちの破壊衝動を満たす言い訳のための革命。それが頓挫しつつあると次は内部への暴力と破壊が始まる。大義名分に逃げない分、そこらのアホな暴走族の方がマシだわ。自分たちを正義だと信じ、愚かな民衆や社会を啓蒙し導いてやる的な何様だよてめえ的な勘違いに突っ走り、とどのつまりは仲間の殺戮。生き残ってる仲間もとっととあの世に行ってくれ。2018/10/25
りゅっく
4
連合赤軍の事件を中心に今では考えられない日本人のテロリストたちのドキュメント。時間軸が行ったり来たりするのでちょっと読みにくかった。オウムに入った人たちが自分が救済されることを求めていたのに対し、これらの事件に関わった若者たちは少なくとも一瞬は本気で日本の将来を彼らなりに考えていたところ 、がおなじ仲間殺し、テロリズムに走った二つの集団の決定的に異なるところだと思う。それにしても何度読んでも切なく、後味はとっても悪い。2020/04/03
TURU
2
連合赤軍以外にも、日本赤軍、東アジア反日武装戦線、全共闘などの内容にも触れられており、スラスラと読みやすい本でした。2013/06/08
jupiter68
1
読んだ当時は、ものすごい衝撃を受けた。 が、かなり作者の創作の部分があるということで、今は変な気持ちでいる。