内容説明
かれらは、なぜ、土方の世界にとどまれたのか？地方の建設現場の最前線で働く人たち、今も働いている肉体労働者たちを労働者文学賞受賞作家がときに真摯に、ときにユーモラスに描く。第１９回新風舎出版賞ノンフィクション部門最優秀賞受賞作品。
目次
１ 土方師・徳次郎さん
２ おんな土方で生きてきました
３ 肉体が取り得の土方です
４ 流れ土方の言い分
５ 百姓から転身しました
６ 腰の曲がった石工さん
７ 職人肌の元大工さん
８ 工事現場の運ちゃん
９ 十人十色の監督さん
著者等紹介
日野勝美［ヒノカツミ］
島根県生まれ。県西部で２８年、東部に移って１８年在住。２００３年から同県斐川町在住。１９８２年、３０年間在職の繊維会社を退職。県立高等職業訓練校土木科卒業と同時に建設作業員に転身。土木と測量に従事。『中上健次と土木労働者』で労働者文学賞受賞。『佐藤洋二郎論』で新日本文学賞佳作入選。主な著書に『みんな土方で生きてきました』（新風舎、第１９回新風舎出版賞ノンフィクション部門最優秀賞受賞）（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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アナクマ
11
文庫化していたとは。感想は単行本版に。2018/04/14
うたまる
0
「若いもんは最初が大事だ。喧しく言っても堪えられるような者でなけりゃ、土方なんて続けられりゃせん」……珍しくも元土方の書いたノンフィクション。門外漢から見れば、小生意気なヤンキーや怠け者を怒鳴り散らして働かせる底辺の仕事かもしれない。しかしその内実とは、肉体労働の結晶。体を駆使して、汗を流し、工事を仕上げる。シンプルで真っ正直な労働だ。自分が男であるためか、無性に惹かれてしまった。「技術を持っている者ほど肉体労働を嫌う」「どんなに優秀な人でも二人分の仕事はできない」など、現場に根差した言葉だけに重く響く。2018/04/28
