ゴッホの靴

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  • サイズ B6判/ページ数 230p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784797485103
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

「ゴッホって画家、知ってるでしょ。彼の絵でこれとよく似た革靴が、画面の真ん中に一足だけ、でんと置いてある絵があるの。暗い色の背景の中から、その靴だけが迫ってくるのよ。片方がひっくり返って鋲がたくさん打ってある底が見えてる、くたびれた革の靴なんだけど、何か、不思議な存在感があるんだなあ。私の大好きな絵なの。本当にこれとそっくりなんだから」彼は首を持ち上げて、千堂さんのベッドが空なのを見定め、小声で話しだした。「千堂さんの靴、あれ、登山靴だよ。登らない山はないくらいの山男だったんだって。雪山で何か、どでかいミスで相棒死なせたって聞いたけど、これ、内緒だよ」(表題作)。73歳の現役介護支援専門員が描く、6編の人生模様。第24回新風舎出版賞井狩春男賞受賞作品。

著者等紹介

坂本美智子[サカモトミチコ]
1932年、北海道函館市生まれ。現在、東京都練馬区在住。現役介護支援専門員(ケアマネジャー)で、NPO団体・日本ケアワーカー協会理事。函館文学学校に通い、「青の時代」に参加。1977年、北海道新聞・市民文芸投稿優秀作品に選出。その後、「井上光晴文学伝習所」で学び、文学学校の有志と同人誌「森林鉄道」を創刊。「文學界」同人誌評欄に取り上げられること多数。1998年、『付添人のうた』で第十八回カネボウヒューマンドキュメンタリー大賞の優秀賞を受賞。同年三月三日、日本テレビ系列でドラマ放映(竹下景子主演、酒井美紀ら出演)。また、読売新聞社より同名アンソロジーが刊行。2004年、第十四回ゆきのまち幻想文学賞(東奥日報社主催)準大賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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アルピニア

59
6篇からなる短編集。作者は(この本が出版された2006年の時点で)現役のケアマネージャーとのこと、その経験が窺われるような事柄が各話に挿入されている。特に故郷への複雑な想いを感じさせる「桜、蕊降る」と一人の女性の最期を描いた「馬革の鞄」が良かった。私も初音さんのように、鞄ひとつで終わることができるといいなと思う。「桜、蕊降る」では、帰省する時の心情や故郷にしがみついている理由のようなものが綴られている部分があるのだが、自分の心の中に溜まっているものを見つけたような気持ちになった。共感ではなく発見だった。→2020/07/30

kinoko

0
3.0点 なんかなつかしい短編集 昭和の香りが・・2010/09/21

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