思考とは脳裏で死者が語り合う事である。〈第1部〉ベイショアと絵本

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  • サイズ A5判/ページ数 317p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784797462180
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

『思考とは脳裏で死者が語り合う事である。』は推理小説である。読者が推理するのは『読者自身が誰なのか』である。読者に与えられる推理の材料は小説の中に仕込まれたいくつかの事件やそこで発見された事物や登場人物だけでなく読者自身の身体やその身体が可能とする知覚や思索そのものである。それらは読者にとって目新しいものではないし、読者はこれまで諸々の専門家からそうした材料の解釈の仕方も学んでもいるはずである。この小説はそうした解釈をもう一度、最初から辿ってゆく旅だと言える。そして初めて読者は自分が誰であったのかを知る事になるに違いない。『第一部 ベイショアと絵本』は第一部を構成する二つのキーワードを並べたものである。この小説はシンガポールを舞台としてスタートする。ベイショアは主人公とも言える遼が住んでいるシンガポールの海沿いの地域でもあり、彼が住んでいるコンドミニアムの名前でもある。また『絵本』とはこの小説全体を流れる主題をまとめている象徴でもある。この絵本を理解する事がこの小説を理解する事そのものでもあるような『絵本』なのだ。この『絵本』は主人公の父親が彼のために作成したものでもある。

著者等紹介

平田遼[ヒラタリョウ]
1947年石川県羽咋市出身、東京都練馬区在住。京都大学数理工学科卒業。住友化学を経て横河電機勤務。プロセスシミュレーション、人工知能、化学プロセス高度制御、医療情報などの業務に従事。日本学術振興会プロセスシステム工学143委員会元幹事。駐在含め海外生活延べ5年間。輸出管理ベルリン国際セミナーで講演(ドイツ外務省より感謝状)。CISTEC勤務。主任研究員。日本科学哲学会会員(専門は認識論、言語学、現象学、数理科学)。作品執筆書物など:「児留瞳あるいは雲の影」で文芸春秋社文学界新人賞最終候補。化学工学便覧(丸善)、科学技術動向調査報告書等の企画編集執筆など多数
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