内容説明
マスメディアの政治的影響力が大きな時代には、物質的利益の配分以上に象徴的なものによって心理的な価値を満足させることが政治指導の働きとして必要になる。本書は、スローガンという言語象徴やパフォーマンスという行動象徴などに基づき人々の価値観、認識や行動を誘導する政治指導の功罪を、象徴的政治指導という新しい分析視角から理論的考察と事例研究によって解明した。
目次
第１章 象徴作用と象徴的政治指導―「象徴操作」と「象徴主義」（象徴主義とは何か？；象徴の理論―ラズウェル、エーデルマン、シアーズ ほか）
第２章 メディア政治時代の象徴的政治指導―ビル・クリントンと小泉純一郎（政治的象徴とその作用；象徴操作型政治指導の分析枠組み ほか）
第３章 旧ユーゴにおける象徴的政治指導と民族紛争―コソボ、セルビア、クロアチアのケース（民族紛争と象徴作用の前提要因；政治指導の特徴 ほか）
第４章 南アフリカにおける象徴的政治指導と民族共生―アパルトヘイト体制とネルソン・マンデラ（民族紛争と象徴作用の前提要因；政治指導体制 ほか）
著者等紹介
吉田雅信［ヨシダマサノブ］
１９４２年生まれ。東海大学政治経済学部教授。日本政治学会、日本ヤスパース協会所属
林寛一［ハヤシカンイチ］
１９５０年生まれ。常磐大学人間科学部助教授。日本公共政策学会、日本選挙学会所属
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