内容説明
「熊日文学賞」受賞詩人が透徹した精緻な筆致で紡ぎ上げた文人たちへのオマージュ、夢紀行。生活の数だけ死があり、死の数だけ窓がある。夢想の窓から覗き見た…夢幻と現実、存在と非在、正気と狂気との境目なき狭間で光芒を放つ言葉たち。
目次
愛と不安と
窓は夢想
蜃気楼―私の鵠沼雑記
金龍山浅草寺
田端を歩く
赤い光白い闇
中野重治のことども
感情を砥ぐ―室生犀星のことども
幻の三丁目―犀星の息づかい
軽井沢晩秋
犀星の金沢
著者等紹介
小林尹夫[コバヤシタダオ]
1949(昭和24)年大分県佐賀関町に生れる。所属、「燎原」同人、日本詩人クラブ、日本ペンクラブ、関西詩人協会会員。受賞歴、詩集「方舟の光景」で「第44回熊日文学賞」受賞
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感想・レビュー
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月
6
芥川や犀星について、詩人である著者がどう語るのか、興味をそそられて本書に手を伸ばす。著者には思いある一冊なのであろうが、著者の個人的な回想(詩歌の旅)と詩人に対するその思い、そして僕の犀星観、同感とするところはあっても何故か深く共鳴しない(琴線に触れない)自分がポツリといる。この本は著者にとって大切な一冊というのはよく分かるが、今回は一読者である僕にとっての一冊ではなかったのがとても残念。 2018/08/29
Shibata Keiko
0
芥川龍之介の顔写真があったので買ってしまいました。作者は、詩人だそうで…良くも悪くも詩人さん紀行文って感じでした…まあ、芥川龍之介が大好きな私には、良いのかな〜って感じでした…この前に小島政二郎の『小説 芥川龍之介』読んでいたので…こういう芥川龍之介本も良いのかな… 昔、私も芥川龍之介のゆかりの地をぶらぶらしたりしていたので懐かしいです…この近くまで行ったけど、捜せなかった場所の事も判って良かったです。2016/01/29