出版社内容情報
夫は夢をふくらませ《しらせ》に乗り込み南極へと向かった。その日から妻と幼い子供達との奮闘が始まった。夫は南極で風と闘い、妻は家庭で日常と闘い、子供達はその狭間で寂しさと闘っていた。でも、ふと気付くといつだってお互いのエールが聞こえていた。4ケ月間に起こったさまざまな出来事、心情を綴った家族のホットメール。遠く離れた家族の、ひとり一人の南極物語。
【山内肇プロフィール】
1961年、沖縄県読谷生れ。琉球大学医学部医学科卒。沖縄協同病院、南極昭和基地オングル医院、島根県隠岐病院を経て96年に医者を辞める。同年末、家族でオーストラリアに移住。98年に2度目の南極観測に参加。もの書きを生業にせんと努めてはいるものの、毎日家でブラブラしているようにしか見えない父の姿を、どうやって息子や娘に正しく説明したらいいのか、それが目下の懸案事項。HP「望波亭」:http://www.argo.net.au/hajime。
【山内理江プロフィール】
1962年、千葉県銚子市生れ。明治大学文学部文学科卒業後1年間ワーキングホリデーでオーストラリアに滞在。パースに惹かれポイント制で永住権獲得、91年に単身オーストラリアへ移住。息子に尋ねられると「お母さんは大きくなったらお茶碗やお皿を作る人(陶芸家)になりたい」と答えている手前、そろそろそれに向けて始動せねば・・・と現在思案中。