内容説明
民族や宗教の対立が繰り返されていた中世のプラハ。そこで迫害され、ゲットーの中に閉じこめられたユダヤ人たちは、自分たちの身の安全を守るために土で大男を作り上げました。その名はゴーレム。使命を果たすためによく働いたゴーレムでしたが、だんだんに強大になるその力は皆をおびえさせ、とうとう土に戻されることに。しかし、生きることの喜びや自然の美しさに心惹かれてしまったゴーレムはそれをいやがり…ユダヤ人迫害の歴史とともに生まれたゴーレム民話。コールデコット賞受賞作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いくっち@読書リハビリ中
5
プラハのゲットーの屋根裏部屋には今もゴーレムが眠っているのか。ゴーレムの額の「真理」の文字が痛烈である。2013/04/12
baアタマ
0
1996年米。プラハに伝わる迫害されるユダヤ教徒を守るために作られたゴーレムのお話。訳者松波史子さんの巻末に「ゴーレム民話をよりよく理解するために」という解説が載せられており、この民話がただの民話にとどまらず現代の大きな問題もな示唆していることがよくわかります。1997年コールデコット賞。2015/01/15
ちかちゃん
0
恐ろしくて力がある故に、優しい心をもっていても戦いの道具にされてしまうゴーレム。後味が哀しくも印象深い話でした。2019/01/06