出版社内容情報
AI×哲学2000年史がサクッとわかる!
「使える哲学」とはなにか?
AIロボット、ドローン、自動運転。シンギュラリティの恐怖も叫ばれる中、いよいよ活気づいてきた人工知能の世界。アメリカではすでにUberによるタクシーの自動運転が実践化されているといいます。しかし、一方でAIが紛争や殺人に使われる懸念があるなど、モラルや倫理がは追いついていない状況に見えます。
果たして、「合理的で」「最適な」答えを出す、人工知能にどうすれば「考え方」を与えられるのか。
本書では、哲学だけでなく、テクノロジーやITまで幅広い分野に造詣の深い岡本先生に、「人工知能に哲学を教える」という設定のもと、「究極な問い」を立てながら、哲学はそれにどうこたえるか…の考え方を提示いただきます。話題の人工知能と哲学を掛け合わせることで、「哲学のおもしろさ」を味わってもらう1冊を目指します。
第1章
人間はどのように「認知」しているのか?<ディープラーニング>
・「ディープラーニング」とは哲学的に何か?
・プラトンの問題
・2つの矛盾「経験値:犬を連れてくるには、犬を知っておかなければならい」
・イデア(理想の目で見る)
・知識・認知・概念とはなにか?
・「機械学習」とは何か?
あらかじめルールを与えなくてもAIが自ら学ぶ
・AI将棋「PONANZA」について。
第2章
AIに「倫理」は学べるか?<トロッコ問題の本質>
・メルセデスの取り組み 「乗客ファースト/自動運転における【設計思想】」
・MITのシュミレーション「属性か人数か?」
・古典的トロッコ問題
・トロッコ問題の大誤解
・「ルールベース」 (AI用語)
AIは人間の知性や倫理を再現できるのか? の具体的な事例として
第3章
「死」とはなにか? 宗教とは?
・人は死をどのようにとらえているか
・死を意識するとは、未来を意識することである
・メタ認知とは
第4章
機械にとっての幸福 人間にとっての幸福
・「経験機械」「水槽の中の脳」(ノージック)
・幸福とは主観的なものである
・人間にとっての幸福とは、「快」の増大である?
・人間と比較できるか?
5章
ロボットは仕事を奪うか
・AIからの指令
・残業がなくなる(労働からの解放)
・マルクス「資本論」革命が起きるのか?
・人間は人工知能をどうコントロールできるのか
・ワトソンがコールセンターを代替という事例。
6章
AIは芸術を理解できるか?
・レンブラント「風」の絵を描く人工知能
・森ビルイベント「AIは芸術を評価できるか?」
・「美人投票」(ケインズ「株」)
・新しい才能を発見できるか?
・「独創性」とはなにか?
7章
人工知能は人類を滅亡させるか?<社会性>
・スタンドアローン型とネットワーク型
・社会性という危険性
・軍事機器(無人の潜水艦)
・人間の意志に反する可能性は?
岡本 裕一朗[オカモト ユウイチロウ]
著・文・その他
内容説明
「人工知能に哲学を教えたら」―このタイトルでおわかりのように、本書は「人工知能に哲学を教えてみたら、いったいどうなるか。考えてみよう!」という思考実験の本です。思考実験とは、いわば頭の中で試してみるもの…でも、ここで反論の声が聞こえてきそうですね。「そもそも人工知能に哲学なんてできるの?考えるだけ時間の無駄じゃない??」―まずその疑問に答えるために、さっそく本書に入ることにしましょう。
目次
第1章 AI vs正義―人工知能に倫理を教えられるか
第2章 AI vs脳―人工知能にとって「認知」とは何か?
第3章 AI vs芸術家―人工知能はアートを理解できるか?
第4章 AI vs恋愛―人工知能にとって幸福とは何か?
第5章 AI vs労働者―ロボットは仕事を奪うか?
第6章 AI vs宗教―人工知能は神になるか?
第7章 AI vs遺伝子―人工知能は人類を滅ぼすか?
著者等紹介
岡本裕一朗[オカモトユウイチロウ]
哲学・倫理学者・玉川大学教授。1954年、福岡生まれ。九州大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。九州大学文学部助手を経て、現職。西洋の近現代思想を専門とするが、興味関心は幅広い。WIRED日本版のWIRED Business Bootcamp 2017「哲学講座」の講師を務めたり、「Innovative City Forum 2017―人工知能時代のアートの役割」と題したセッションに登場するなど、“哲学”と“テクノロジー”の領域横断的な研究をしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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