SB新書<br> 認知症をつくっているのは誰なのか―「よりあい」に学ぶ認知症を病気にしない暮らし

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SB新書
認知症をつくっているのは誰なのか―「よりあい」に学ぶ認知症を病気にしない暮らし

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  • サイズ 新書判/ページ数 200p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784797385311
  • NDC分類 493.75
  • Cコード C0211

出版社内容情報

認知症の見方、イメージが180度変わる!

◆5人に1人がなるものが果たして病気か

◆間違った方向へ進んだ認知症の「常識」を正すために!

介護の問題は突き詰めれば認知症の問題となり、認知症の問題は突き詰めれば薬害の問題だ。
かつて痴呆と呼ばれ「だいぶぼけてきたね」で済まされていたお年寄りが、今では認知症という病名をつけられ、医療の対象となって薬物療法を施されている。
うつ病の薬ができたためにうつ病の患者数が飛躍的に増えたのと同じように、日本は、年をとると誰もが認知症にされかねない、脳に作用する薬を処方されかねない国になってしまっている。

◆「5人に1人が認知症」時代――5人に1人がなるものが果たして病気か、それは「老化」の一形態ではないのか
ぼけても安心して生きられる社会へ。ぼけは決して悪い言葉じゃない!

読者のみなさんは、2004年に認知症という病名が厚生労働省によってつくられたことをご存知ですか?
つくられた病名ですから、認知症という病気はありません。
実際にはアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、脳血管性認知症、前頭側頭型認知症(以上を医学的には4大認知症と呼びます)などの病気があり、これらによって「認知機能が低下した状態」が認知症です。認知症を引き起こす原因疾患は70種類もあると言われますが、これらを正確に鑑別
できる医者はめったにいません。鑑別できなくても「認知症です」と言えば、アリセプトを始めとする抗認知症薬が投与できてしまいます。抗認知症薬には副作用があり、興奮や徘徊といった副作用が出たら、それを抑えるために向精神薬が投与されます。
そのことによって、お年寄りは本物の認知症にされてしまうのです。

認知症の介護を困難にしているものは、「不安」です。中高年の多くが認知症にだけはなりたくないと思い、自らは予防に走りながら親たちを受診に向かわせています。
国とマスコミが認知症の怖さを煽っている以上、事態はなかなか好転しません。事態を好転させるには、認知症を正しく知ることと、薬物療法に頼らなくても済むような介護のあり方を知ることです。ぜひ本書から「認知症を恐がる必要はない」「認知症を病気にしない暮らしがある」ことを学んでいただきたいと思います。

はじめに 間違った方向へ進んだ認知症の「常識」を正すために

第1章 介護保険制度と言葉狩りが認知症をつくっている

第2章 あらゆる形の入院が認知症をつくっている

第3章 厚生労働省のキャンペーンが認知症をつくっている

第4章 医学会と製薬会社が認知症をつくっている

第5章 介護を知らない介護現場が認知症をつくっている

第6章 老人に自己決定させない家族が認知症をつくっている

あとがき

【著者紹介】
宅老所よりあい(福岡県)代表。1964年生まれ。福岡県飯塚市出身。1996年2月から、「第2宅老所よりあい」所長を務める。著書に『ぼけてもいいよ 「第2宅老所よりあい」から』(西日本新聞社)、『おばあちゃんが、ぼけた』(よりみちパン!セ 25)など。

内容説明

中高年の多くが認知症にだけはなりたくないと思い、自らは予防に走りながら親たちを受診に向かわせる状況は果たして正しいのか。かつて痴呆と呼ばれ「だいぶぼけてきたね」で済まされ、ぼけと折り合っていたお年寄りが、今では認知症という病名をつけられ、医療の対象となり薬物療法を施されている。しかし、薬に頼る前にやらなければいけない介護、ケアの仕方がある。優れた介護現場から学ぶ認知症の本質。

目次

第1章 介護保険制度と言葉狩りが認知症をつくっている
第2章 あらゆる形の入院が認知症をつくっている
第3章 厚生労働省のキャンペーンが認知症をつくっている
第4章 医学会と製薬会社が認知症をつくっている
第5章 介護を知らない介護現場が認知症をつくっている
第6章 老人に自己決定させない家族が認知症をつくっている
終章 特別寄稿・本当の介護は、薬や抑制で老人を認知症に追い込んだりはしない

著者等紹介

村瀬孝生[ムラセタカオ]
宅老所よりあい(福岡県)代表。1964年生まれ。福岡県飯塚市出身。1996年2月から、「第2宅老所よりあい」所長を務める

東田勉[ヒガシダツトム]
1952年生まれ。國學院大学文学部国語学科卒業。コピーライターとして制作会社数社に勤務後、フリーのライター兼編集者となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

古古古古古米そっくりおじさん・寺

69
認知症に何らかの形で関わる人や、不安を抱いている人しか読まないであろう事を残念に思う良書。私達も皆ボケるかも知れない。そんな私達みんなへの希望の本である。以前、介護ライター東田勉の『認知症の「真実」』(講談社現代新書)という本を読んで大変面白かった。その東田勉が福岡で『宅老所よりあい』をやっている村瀬孝生と対談したのが本書である。難しい所もある前掲の本の内容が話し言葉で解りやすく載っているのでお薦めである。『よりあい』の介護は素晴らしい。読んで欲しい。こんな介護の現場から、未来が好転する事を願っている。2016/04/30

ぼのり

43
「呆けてると言ってはダメ!認知症という病気なんだから…」と教わったのはつい15年ほど前。より高い介護認定を貰うため、認知症という診断を貰ってホッとする矛盾。昔なら「ちょっと呆けてるね〜」で済んでたご老人たちが皆『認知症』という括りにされ、薬漬け、生活を抑制され、どんどんレベルを落としていってしまう理不尽さ。その考えを根底からひっくり返し、老いとは何か?介護とは何か?を改めて考えさせてくれるてくれる良本!ただ慢性的な介護の担い手不足の現状では、理想論にしか過ぎず、現実的には難しいような…(2019-071)2019/03/14

リョウ万代ホーム施主|貯金おじさん

39
認知症への認識が変わる一冊でした。又、読み直します。2016/05/18

タルシル📖ヨムノスキー

29
加齢によるごく自然な変化、いわゆる〝ぼけ〟を認知症という病気にしてしまったのは誰か!?利権が絡む国と医者と製薬会社、現実を受け入れられない家族、効率重視で人を見ない介護現場。特に、認知症治療薬の処方についてはかなり衝撃的だった。ちなみにここ最近の話題では、アメリカの大手製薬会社が次々と、日本でもエーザイが認知症治療薬の研究打ち切りを発表している。そりゃそうでしょ。そもそも〝ぼけ〟は病気ではないんだから。治療ができないのなら、なんとか付き合っていくしかない。〝誰か〟じゃなくて、〝みんな〟で一緒に苦労して。2019/08/24

aloha0307

27
この分野で、何冊かの既読書と全く違う視点であることは表題に集約されている。介護保険サービスを受けるのに、認知症という診断をもらわなければいけない(家族も知らぬ間にその方向へ...悪いほうがいい なんて...)。さらには、福祉相談窓口がいきなり、「認知症はありませんか?」...やはりこれは大きな疑問ありです。昭和の時代なら ちょっとぼけたかも だったのに。 じっくり再読して独居父が一番笑顔でいられる方向性を考えて(この1年進展なにもない己がイヤになる)いきたい。2018/11/10

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