出版社内容情報
主体的に死を選ぶためには知的武装が必要だ
◆「多死社会」を今後迎える日本で、必須の課題である「死に方」
◆団塊世代が後期高齢者になるのは2025年、そこまでに日本人の死に方は大きく変わる。
政府は医療費を抑制するために、病院死から在宅死を奨励。今後8割の人間が自宅で死ぬ時代がやってくる。
しかし、ではどうやって死んだらいいのか? というと、多くの人はわからないまま。
◆嫌な言い方だが、死に方にも「格差」の影がちらついている。
建前的には、死に方にもいい悪いはないはずだが、
誰も実際には不本意な死に方、苦しい死に方、悪い死に方はしたくないはず。
そうした悩みに答え、この時代、どんな死に方ができるのかを検討する!
◆満足できる死を迎えるためには、医療側の論理を論破できる知識を身につけなさい!
はじめに 60代まで現代人は死に対して「不感症」になっている。70代、死が現実感をもって急に立ち現われる
第1章 これから迎える「多死社会」、死に方のイロハを学ばなければ、いい死に方は得られない ~知的武装のすすめ
・死に方を考えることは、残りの生き方を考えることでもある
・「ピンピンコロリ」は常に理想だが、現実的にそうなれる人は少ないことを肝に銘じる
・突然死が増えている。予兆に要注意 ・死亡欄の死因の読み方、「心不全」の謎
・酒とタバコは無理してやめる必要はない
第2章 病院で死ねない時代は幸か不幸か ~医療格差がもたらす現実と未来を直視しなさい!
・現代人は「3段階」で死んでいく ――急性期、リハビリ期、終末期 どこが一番大変か
・医師と病院はお金になる患者さん、そうでない患者さんを果たして区別(差別)しているのか
・マイケル・ムーア『SICKO』が予見したことが、より過酷な形で現在進行形で起きている
・本人への病状の説明でさえ、家族の承諾なしにはできない国、ニッポン
・長寿日本一長野県では医者が儲からないのだが…
第3章 受けたくない、できれば拒否したい治療法 ~善意ある医師だからと言いなりになってはいけない!
・俺はこういう治療は受けたくない、私はこういう医者と病院はご免こうむりたい――基準を明確にもっておく
・実は真面目で誠実な医者ほど、つらい治療(濃厚医療)を患者さんに強いてしまうことがある
・拷問に近い治療があるが、それは避けられるか、避けるべきなのか
・個別具体例)尿管ステント、痰の吸引、人工透析、腎ろう、人工肛門、PTCD・胆汁チューブ…
・避けたい医師――薬の量が杓子定規、治療方針を是正ぜず、同じ種類、量の薬を出し続ける医師
第4章 在宅死に横たわる格差 ~信頼できる医師はこう選びなさい!
・在宅医療や緩和ケアなどの発想についていけない医師は少なからず存在する
・主治医の選び方で「死に方」が決まる!
・どんな在宅医、かかりつけ医を見つけるべきなのか
・緊急時に対応してもらえるか、時間外診療をしてもらえるか、往診をしてもらえるか、電話やメールなどで診療してもらえるかどうか
・医療者が訴訟回避のため、家族の意見に従う場合が多いことの問題
・自分で死に方を選ぶには「リビングウイル」を文書で書いておく(終末期医療だけではなく、抗がん剤のやめどきについても)
・規則正しさを強要される病院から自宅へ戻るだけで気分は晴れる
第5章 ガン治療の格差 ~あなたのチョイスで「苦」を減らしなさい!
・ガンの先進治療は、自由診療となり高額 ・ガンの最先端治療と命の値段――ワンクール400万円
・再発予防のための抗がん剤治療をしていても再発が防げない場合どうするか
・抗がん剤が劇的に効く人がいるのも現実だが、多くは副作用で激ヤセしてヘロヘロになる
・基本的に、専門医は抗がん剤治療を試したい
・分子標的薬の副作用は、従来の抗がん剤より少ないが、それでもある
・ガン「完治」の定義は難しく、「完全寛解」という言葉が使われることの意味
第6章 「死に方」格差は経済力ではなく、知力と情報力で乗り越えられる ~あくまで主体的に「満足死」を手に入れなさい!
・余命宣告より長生きする人の生活習慣とは?
・日本は寝たきり老人大国だが、寝たきりにさせられるのを防ぐ手立てはある
・有効なガン検診、無意味なガン検診 ・助かるガン、助からないガンがあるということ
・もちろん稀に余命宣告から「自然治癒」に至った事例もある
・後期高齢者になってからガンが発見されたら、どんなガンであっても、治療せずに定期的に様子を見ていく方法は充分、説得力がある
・90歳を超えたら病気を治さないという基本姿勢
・75歳以上で「胃瘻」を勧められたら拒否する選択肢も
・ガン5年生存率を有効に使う ――「5年生存率」が高いがんと低いがん
死を正面から見据えるのを避けてはいないか
おわりに
満足できる死を迎えるために、医療側の論理を論破できる知識を身につけなさい
【著者紹介】
医師兼ジャーナリスト。1947年、大阪府北河内郡(現鶴見区)に生まれる。1972年東京慈恵会医科大学卒業。病院経営、日本女子体育大学助教授を経て、早稲田大学講師、青山学院大学講師歴任。専門は、医療社会学、生命科学、スポーツ医学。格闘技通としても有名。慈恵医大相撲部総監督(六段)、(財)「体協」公認スポーツドクター、新日本プロレス・コミッションドクター。主な著書に、『医者しか知らない危険な話』(文春文庫)、『危ないお医者さん』 (SB新書) 、『病気と闘うな 医者と闘え』(光文社)など。これまで、主に医療関係の著書を60冊以上上梓してきた。自身は心臓カテーテル療法で冠動脈のステント手術を受け、その後2012年に心臓のバイパス手術を受けている。糖尿病は、生活習慣病であるため歩くことを普段から心がけ、薬は飲まずこの病気と付き合っている。
内容説明
胃瘻、検査漬け、抗ガン剤による副作用…医師任せ、過剰治療を避け主体的に死を選ぶ!
目次
第1章 大きく変わる日本人の「死に方」
第2章 死ぬとはどういうことなのか?
第3章 「老化」と「病気」は違うもの
第4章 ガンで死ぬということについて
第5章 こんな検査・治療は拒否していい
第6章 どうしたら健康で長生きできるか?
第7章 信頼できる医者の探し方、選び方
第8章 「死に方格差」を乗り切るには?
著者等紹介
富家孝[フケタカシ]
医師兼ジャーナリスト。1947年、大阪府北河内郡(現鶴見区)に生まれる。1972年東京慈恵会医科大学卒業。病院経営、日本女子体育大学助教授を経て、早稲田大学講師、青山学院大学講師歴任。専門は、医療社会学、生命科学、スポーツ医学。格闘技通としても有名、慈恵医大相撲部総監督(六段)、(財)「体協」公認スポーツドクター、新日本プロレス・コミッションドクター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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