内容説明
極東の小国だった日本は、瞬く間に近代化に成功し、アジア随一の大国に成長した。日本の成功は、一流国となる要件が、白人であることでも、アーリア系の言語を持つことでも、キリスト教徒であることでも“ない”ことを証明した。近代日本は、全世界の希望となったのだ。敗戦の試練をも乗り越えた日本は、20世紀の終わりにジャパン・アズ・ナンバーワンにたどりつく。ロングスパンの歴史観の上に立ち、その成功の光と影を明らかにする。
目次
第1章 和魂洋才で日本は成功したのか
第2章 世界が絶賛した明治憲法
第3章 日露戦争の勝利が世界史を変えた
第4章 維新の精神を忘れて敗戦に
第5章 二〇世紀世界の頂点に立った近代日本
第6章 このままでは日本は二百年立ち直れない
著者等紹介
八幡和郎[ヤワタカズオ]
1951年滋賀県大津市生まれ。東京大学法学部を卒業後、通商産業省(現経済産業省)に入省。フランスの国立行政学院(ENA)留学。大臣官房情報管理課長、国土庁長官官房参事官などを歴任後、現在、徳島文理大学教授をつとめるほか、作家、評論家としてテレビなどでも活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紫
1
明治維新から現代にいたるまでの、近現代の通史を260ページにまとめたダイジェスト。明治から大正までの60年弱は、問題はあっても、おおむねベターな政策判断が続いたという肯定的見解。通説のイメージとは異なる著者の見解も多々あるものの、おおむねフラットで無難な見方であります。現実主義・協調外交路線のハト派政治家たちが退場した後に残ったのは人気取りに派手な政策に走る政党とタカ派な主張を支持する世論。軍国主義化は民主主義の負の産物で、軍部の暴走は「戊辰戦争の負け組のリベンジ」との御指摘はごもっとも。星4つ。2017/08/23
kurayamadasoga
1
前半は面白く読めたが、後半は歴代首相の寸評が続いて退屈でした。2014/08/02
ひろにぃ(雑学大好き)
1
近現代史と言うのは、学校では駆け足になってしまい、実は詳しく知らない。そう言うことが、今の中国や韓国との関係にも影を落としてるような気がする。2013/05/14
Sato1219
1
筆者は、戦前の日本を現代とは断絶した暗黒時代とみない。当時の世界情勢からみればまずまずの先進性を誇っていたし、米国をモデルにした戦後と対をなす形で、欧州をモデルとした国家であったとも主張している。別の見方をすれば敗戦というカタストロフを生んだ、暴走する世論と暗愚なリーダーなどというのは、実際、戦前・戦後と連続してこの国の宿痾ということなのかもしれない。大隈重信に対する低評価、鳩山(気品あるブルジョア)と吉田(生意気な貴族)の対比、村山〜森内閣の間の政権運営に対する高評価などは面白い。2013/03/20
ゆきにゃん
0
明治維新から第2次安倍内閣にいたるまでを駆け足で。全体的に難しくてわかりにくかったです>< 明治のころの政局とかさっぱりイメージできない… まぁ「戦前は軍事では先進国の仲間入りしたけど、生活が犠牲になっていた」とか、そういう見方を知れたのはよかったかなー2014/04/05