内容説明
ネガティブスプリット―余力を残して30km付近まで走り、そこから徐々にペースを上げるレース戦略だ。マラソン界を席巻している東アフリカ諸国のランナーが実践するなど、現在、世界的な潮流となっている。前半をラクに走ると、終盤ほとんど抜かされることなく、疲労にも強い意志で立ち向かえる。失敗レースのリスクが減るどころか、自己ベスト更新の可能性が飛躍的に高まるのだ。そのトレーニング法と実践法を徹底的に伝授する。
目次
序章 レースを成功に導く「ネガティブスプリット」とは?
第1章 ネガティブスプリットで速くなる5つのワケ
第2章 目標ペースを設定する方法
第3章 後半粘れるトレーニング法
第4章 ネガティブスプリットを成功に導くフォームづくり
第5章 レース1か月前に体重を落とす
第6章 レースで実践!ネガティブスプリット
著者等紹介
吉岡利貢[ヨシオカトシツグ]
1978年兵庫県生まれ。2001年静岡大学教育学部卒。2008年筑波大学大学院人間総合科学研究科(単位取得退学)。博士(体育科学)。筑波大学体育センター準研究員、筑波大学スポーツR&Dコア研究員を経て、現在、環太平洋大学体育学部講師・陸上競技部コーチ。ランニング学会常務理事。中学から大学まで陸上競技(中長距離)を専門とし、筑波大学大学院進学後は、一貫して中長距離ランナーの体力やトレーニング法についての研究に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
B-Beat
28
◎ネガティブスプリットとはレース前半より後半でペースを上げる戦術のこと。将来予測が可能な距離からペースを上げるならば、心理的に気持ちよくゴールを目指せると。LTペースという有酸素系システムをメインに使いながらぎりぎり「ラク」を感じる速さで走り続け、ゴールが思い描ける距離に至って無酸素系システムで走れと。反意語はポジティブスプリット。元気な前半のうちにペースをあげてタイムを貯金して30km過ぎにペースダウンしても目標タイム内にゴールできるように走ること。要は後半に備えて前半に余力を残せるかかな。 2015/10/12
鈴木拓
22
前半より後半を速く走るネガティブスプリット。これまで走ったフルマラソンで常に30キロ以降で撃沈してきた私にとって、本気で取り組むべき課題だと思っていた。そして、この本を読んで、やはりこれを実現できるようにしようと決意した。マラソンを気持ちよく走り切るためにも、次回の大会でここに書かれていることを実践してみたい!2022/02/16
抹茶モナカ
19
フルマラソンで前半に体力を温存し、後半でスパートをかけるのがネガティブスプリット。ジョギングが精一杯の僕には、ちょっと、レベルの高い本で、読むのは時期尚早でした。人生もネガティブスプリットで行けると良い、なんて、思ってみたり。2015/06/25
ロッキーのパパ
15
フルマラソンをターゲットにした実践的なトレーニング方法を紹介している。大学院で研究してきただけにかなり裏付けがありそうな感じだ。ウルトラマラソンやトレランに応用するためには少しアレンジする必要がありそうだけど、いくつかはメニューに取り入れたい。ただ、「ネガティブスプリット」をレースで実行するために、ぼくの思考を変革するところから始めないとだめそう。2012/12/15
B-Beat
13
★走ることについて語る時に読書メーターでの振り返り★初読2015/10/12★いよいよ初フルマラソンが1か月後に迫った。レースはどのように走るのが理想なのか。当時、金哲彦さんのランニング番組に「めざせ!サブ4!」いう番組があって録画を何度も食い入るように見たのを思い出す。その番組で元ボクサーのランナーが見事にネガティブスプリットでサブ4を達成する姿に目頭が熱くなったものだった。この言葉の反意語はポジティブスプリット。ネガティブかポジティブか。試行錯誤は続いている。2020/04/05