内容説明
遠藤保仁のプレーが一流であることは、サッカーに多少でも関心のある日本人なら誰もが認めるところだ。では、一流の選手はいったいどこがすごいのだろうか。単なる印象や経験論ではなく、客観的なデータ解析に基づいて読み解くことで、選手のプレースタイルや試合における影響力などが、面白いほど理解できる。本書では、サッカーの試合や選手に関するさまざまなデータを解析し、サッカーに対する新しい視点・楽しみ方を提唱する。
目次
第1章 データから読み解く一流プレーヤーの技術
第2章 データを使って隠れた才能を探し出す
第3章 データで振り分けられるプレーヤーの役割
第4章 データが教える得点につながるプレー
第5章 データが示す勝敗を左右するプレーヤー
第6章 データが明らかにするサッカーの気になる疑問
著者等紹介
西内啓[ニシウチヒロム]
東京大学医学部健康科学科卒(生物統計学専攻)。東京大学大学院医学系研究科医療コミュニケーション学分野助教、ダナファーバー/ハーバードがん研究センター客員研究員を経て、現在は国内外の社会を健康にするためのさまざまなプロジェクトにおいて調査および戦略立案をコンサルティングしている。2011年からは、サッカーのデータ分析に関する研究を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Miyako Hongo
17
ビッグデータ時代に向けて、自分の関心ある分野のデータ分析なら興味持てるかなと購入。でもやっぱり基礎知識がないと辛かった。□2011年のJリーグの全試合から取得されたデータを分析し、ベストイレブンを選定。選手と選手を数値で比較できるので、素人にもわかりやすい反面、サッカーってそれだけじゃないだろ、という疑念も浮かぶ。 □データ分析の”プログラマの数学”的な内容。知りたい事象に対して何が影響を及ぼしているかを見極めるには、それなりのスキルと直感力が必要だなと思った。データアナリストが高給取りになる訳だ。2015/01/16
ふろんた2.0
11
サッカーには詳しくないであろう著者が専門分野の統計学を駆使してJリーグ2011シーズンを紐解く。選手の個性やチーム戦術の特徴がデータとして表されるものの、選手の評価、チームとしての結果にはリンクしない。この選手をスタメンで使っていればとか、データで見たベストイレブンとかあるが、思いもよらぬ選手が登場する。結果的に、頭でっかちな情報武装だけでは、勝てるサッカーはできないということが如実に表されてしまった。駒野が司令塔タイプであったり、西川と藤ヶ谷が同じタイプのGKであったりと、意外な発見もあり楽しめる。2014/01/27
かなすぎ@ベンチャー企業取締役CTO
8
サッカーを知っていたり、やったことがある人は何となく感覚的に分かっていることを統計学的手法で、証明している。 しかし、統計学の知識をほとんど持っていないので、途中読みづらいという箇所は何箇所かあったけど、逆に統計学をもっと勉強してみたいと思うような内容であった。 最近は、ブンデスリーガのホッへンハイムがSAPと協力してデータを利用した改革を進めていて、結果を出している。こういうことにも興味があるので、ぜひ統計学の勉強をしていきたい。2018/01/09
ふくみみ
6
ゴール数やアシスト数などサッカーに関するあらゆる指標を収集、解析したさまざまな知見を紹介した本。私のサッカーの知識は 2000年あたりで止まっているので、選手のデータを見てもカードゲームのパラメータを見ているような気持ちになりました。知ってたらずっと面白いはず。データ解析は仮説や当たり前な状態とのズレを見つけたときに面白さがあるように思うので、このパラメータの割に評価されてない選手の話や、クラスタリングしたら今のポジションより別のポジションの方が向いてるといった例が面白いんだろうなと思いました。2013/04/07
牧神の午後
4
専門的な話をし始めるとトコトンややこしくなる統計分析をこれだけ分かりやすく、興味が持てるように書いてくれる筆者の力量に脱帽。データ分析はデータ分析でしかなくて、限界があることは認めつつ、それでも仮説を検証する意義を説くところに筆者の使命感のようなものを感じたのは、入れ込み過ぎか(笑)。そしてやっぱりヤットはバケモン。2012/09/24
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