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内容説明
仕事、投資、学問、恋愛、ダイエット、幸福などで、人間が間違いを犯す原因を、脳科学、行動経済学、進化生物学、認知科学、社会心理学などの最新の知見を駆使して読み解く。話題は多岐にわたり、生き生きとした逸話や実例が満載。
目次
第1章 愚か者たちの船の航海日誌より
第2章 市場の過ち
第3章 色のついためがね
第4章 脱線
第5章 われわれのひとり
第6章 更新世のバスを降りたばかり
第7章 正しく生きる
著者等紹介
カプラン,マイケル[カプラン,マイケル][Kaplan,Michael]
サイエンスライター、映画製作者
カプラン,エレン[カプラン,エレン][Kaplan,Ellen]
米国の数学者
山内あゆ子[ヤマノウチアユコ]
翻訳家。早稲田大学第一文学部卒。シカゴ大学大学院人文学科修士課程修了。戯曲「エドマンド」の翻訳で第13回湯浅芳子賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GASHOW
12
人類の進化のために獲得した本質が先で、そのあとに文化ができている。そこで過ちが生まれたのだがどうすることもできない。男が浮気をしてしまうのも、結婚の制度ができたのは進化でもずいぶんあとの方だから仕方がない。ルールができても本能には逆らえない。コントロールがそもそも効かないものだということを忘れて過ちを犯してしまうと感じている。過ちをおかす前提の世界的な宗教がありましたね。この本は今年読んだ250冊の中でもベスト10に入る面白さでした。2016/10/26
kanaoka 58
7
ISテロ、欧米右派ポピュリズム、世界的宗教対立の裏には、霊長類としての集団行動の仕組みがある。 複雑でランダムな世界、限られた脳容量で、必要な反応速度、優位な反応を為すためには、ヒューリスティクスが必要である。それが倫理や偏見を導き、善悪を生み出していく。これらは進化の過程で、その環境下において確率が生み出した結論である。 狩猟採集集団を遥かに超えた超集団の内外相互関係が、サルの脳からくる秩序ルール、有名人のゴシップ、卑近な経験を元に調整されているのが現実社会である。愚者こそが最大のリスク要因である。2017/03/16
miohaha
4
認知バイアスに関心があって読んでみましたが、脳科学的なものというより、人類学的な内容でした。人類は洞窟で狩猟採集していた頃とさほど変わっていないんだそうです。社会性と言う意味では類人猿や他の群れで生活する動物との比較が面白い。人が対応できる社会の規模はせいぜい村単位。地球規模の問題は想像できないものらしい。欧米の文化圏にいないせいで理解しづらい表現もありましたが、興味深く読めました。2014/08/15
くさてる
4
人間が犯す様々な過ち、恋愛、偏見、欲望に負けること等々について、脳科学をはじめとした様々な知見に基づき解説した内容。具体例が豊富で分かりやすく、訳も読みやすい。人間がどのようにして間違えてしまうのか、正しくないことを選んでしまうのかというメカニズムについて学ぶことが出来た。しかも、それらの間違いに対する処方箋も用意されているので、間違ってしまう自分や、間違っているあの人をよりよく理解する為にお勧め。2011/10/22
ぐりにゃる
3
タイトルの答えはずばり「人間は間違えるように作られているからだ。」なんと見も蓋もないような回答で唖然としてしまうかもしれない。だが、読み進めていくうちに筆者の言い分にも頷けるようになる。逆説的に、間違わない人間がいかにナンセンスな存在であるかを、面白く、具体性をあげてこの本は解説してくれる。この本の多くは脳に関する話題である。なぜなら、間違いを犯したとき、その原因は脳にあるからだ。この間違い犯したとき、我々人間の脳で起こっているメカニズムについて科学的見地から詳細に解説してくれる。面白く読み応えがあった。2012/02/15