内容説明
十字軍の英雄の遺児、アブリエルは美しく聡明な娘。彼女は、宮廷でスコットランドの外交官レイヴン・シーバーンと出会い、その藍色の瞳で見つめられた瞬間から、彼のことが忘れられなくなる。だが、義父が困窮したのをきっかけに、醜悪な男デズモンドと結婚し、純潔を捧げなければならない身の上に。心の中ではあの人の面影を求めながら―。12世紀のイングランドを舞台に波瀾の愛を描く、ヒストリカル・ロマンスの女王の絶筆作品。
著者等紹介
ウッディウィス,キャスリーン・E.[ウッディウィス,キャスリーンE.][Woodiwiss,Kathleen E.]
1939年アメリカ・ルイジアナ州生まれ。「ヒストリカル・ロマンスのファースト・レディ」と称される。1972年に『炎と花』を発表して以来、35年間で14作品を上梓。全作品が『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラー・リストに選ばれ、アメリカだけでも3600万部超のセールスを誇る。2007年没
橘明美[タチバナアケミ]
お茶の水女子大学文教育学部(仏文学・仏語学専攻)卒業。メーカーに勤務し、フランス駐在員などを務める。現在、フランス語・英語翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
日夏
19
12世紀のイングランドはノルマン、サクソン、スコットランドの微妙な時代。ロマンスというにはあまりにも残酷な舞台です。女性は男性の庇護の下で生き、彼らが亡くなれば容赦なく狙われます。ヒロインもそれを経験していたので運命を受け入れる覚悟でしたが、過酷な体験からヒーローを信じられない。でも彼は全身全霊で彼女に尽くすんです。この神忍耐&頑なな彼女を包む深い愛のお蔭で二人は心から結ばれます。後半は駆け足でしたが、それでも作者の願いは伝わってきました。 2016/09/06
KAZU@ 《フィフティシェイズ・フォーエバー》
17
ヒーローはいつもヒロインを見守ってて、ヒロインが危険な目にあっても、必ず助けに来てくれる。体をはって守って護ってくれてるのに、お金目当てとしか考えられないなんて悲しい。私だったら、即効なびいちゃうんだけど(笑)。でもヒーローはその姿勢を貫く事で、ヒロインの愛を勝ち取る。今作は父親達が印象的。ヒロインの義父はとても良い人。そしてヒーローの父!! サイコーでした(笑)2020/11/14
じょう
15
なぜ最初ヒーローはヒロインの結婚を見ているだけだったんでしょうか? 訳者の後書きにあるように 他の作品に比べると物足りなさはあるものの十分楽しめる作品です。お亡くなりになったのはとても残念です。未邦訳の作品の邦訳出版を望みます。2015/07/03
hotmilk
13
いつものウッディウィス作品のドラマチックなストーリー展開がなくて残念。ちょっとパンチ不足だった。残す2作品、『冬に舞う灰』と『緑の瞳』もいつか読めたらいいな。★32014/10/28
たまきら
11
英国戦国時代、女性が過酷な扱われ方をしていたころ。困窮した父母を助けるため、元の婚約者の弟で、お金はあるもののもうあとは褒めるところがない男子と婚約した超絶美女がヒロインです。そんな彼女を一途に守るのがスコットランドからやってきたイケメンさんで…というような設定です。はらはらするようなことがいっぱいあり、当時の女性の立場の弱さがよくわかります。とにかく目に浮かぶような説明がいいです。城の守り方とかもすごく面白かった。この本がこの著者の最後の本だったそうで…私個人は非常に面白く読みました。2015/07/03