内容説明
「僕」たちが追い求めた、整数の“ほんとうの姿”とは?「僕」と三人の少女が織りなす魅惑の数学物語。
目次
第1章 無限の宇宙を手に乗せて
第2章 ピタゴラスの定理
第3章 互いに素
第4章 背理法
第5章 砕ける素数
第6章 アーベル群の涙
第7章 ヘアスタイルを法として
第8章 無限降下法
第9章 最も美しい数式
第10章 フェルマーの最終定理
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SOHSA
40
このシリーズは、やはり楽しく難しい。末尾に近づくに連れて、かなり高度な内容になる。しかし、そこに至るまでの導き・手引きが見事なほど巧みであるがために、読み手は知らず知らずのうちに、最後まで誘われてしまう。読後は常に爽快だ。数学という学問の持つ景色を作者は鮮やかに読み手に見せてくれる。2014/07/02
takaC
29
このシリーズは、読み進めるのに時間がかかる。10章は先取りできなかった。まだまだ未熟よの、自分。2011/02/04
hnzwd
21
数学についての解説付き恋愛小説?シリーズ第二弾。目指すはフェルマーの最終定理です。前作と同様に全力で走り抜けていく感じです。ピタゴラスの定理から、群・環・体あたりは主人公の脳内もちゃんと書かれていて、公式暗記じゃない問題って、こんな感じでトライ&エラーとか実験やってたな、と思い出しました。数学以外の小説部分もパワーアップしてるし、今後も期待。エピローグは、ユーリ(っぽい娘)が歩いてるし、直前の章との絡みだとすれば、主人公の観たアンドロメダ銀河の夢かな。2022/06/09
Lee Dragon
20
ペンと紙を準備して読み進めた。死ぬまでには概要を理解したいフェルマーの最終定理。群体環の触りも数学から離れている身ではあったけど理解できて嬉しかった。数論が数学の女王と言われる所以が分かった。幾何と代数の世界を行ったりしながら、背理法や無限降下法を使ったロジックで、フェルマーの最終定理までの道筋を数式を使わず示してくれている。道筋→各論の順は理解がすんなり進む。数学は美しいな2021/09/05
まえぞう
16
再読。このシリーズ、私みたいな専門外だけど興味があるものにあってますね。中学から大学教養レベルの周辺の話しを散りばめて、最終章で一気に結論に導く。最終章が理解できなくても「そんなものか」で終わればよいし、興味があればより専門的なものに進む。今回のテーマ、フェルマーの最終定理の証明には相当高度な数学が使われるので、その説明はほんのさわり程度ですが、読み応えはあります。2022/07/16