内容説明
「私が誰なのか調べてもらいたいのよ」。名前を名乗っておいて、女はそう切り出した(IN A SENTIMENTAL MOOD)。借金のカタに回収してきた車のトランクには、血まみれの男の死体が入っていた(TEA FOR TWO)。―季節は秋から凍てつく冬、そして春へ。日当200ドルのしがない探偵は、トラブルを追って、さまざまな人生の交錯する摩天楼の街を東奔西走する。ますます冴えわたる傑作ハードボイルド短編集第2弾。16篇を収録。
著者等紹介
矢作俊彦[ヤハギトシヒコ]
1950年、横浜市生まれ。72年、ハードボイルド短編小説『抱きしめたい』をミステリ・マガジンに発表。70年代、短編小説、漫画を書くかたわら、ラジオ、TVドラマのシナリオ作家としても名をなす。77年、初の長編小説『マイク・ハマーへ伝言』で斯界を驚かす。83年、司城志朗との共著『暗闇にノーサイド』で角川小説賞、98年、『あ・じゃ・ぱん』でBunkamuraドゥ・マゴ文学賞、2004年には『ららら科學の子』で三島由紀夫賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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