内容説明
ルイ大王時代の17世紀フランス悲劇詩人の情念と劇的空間に肉薄し21世紀へと繋がるラシーヌ研究の意義と方向性を探る。ラシーヌ没後300年記念国際シンポジウムを土台に、悲劇・ポエティックを包含する概念としての「神話」のダイナミズムを追及する。巻末には梗概・年譜・文献等、研究者必携の資料掲載。
目次
回想のラシーヌ
第1部 ルイ大王時代のラシーヌ・現代のラシーヌ(ラシーヌ的情念;ラシーヌとポール・ロワヤル;ラシーヌの詩法形成における『アレクサンドル大王』の位置;ラシーヌとヌヴェル・クリティック ほか)
第2部 シンポジウム
第3部 ラシーヌ的情念のさまざまなる変奏(ラシーヌとオイディプス神話;『アンドロマック』における歴史・伝説の特権的瞬間;ローマ史とラシーヌ的神話作用;『ベレニス』における情念の涙 ほか)