内容説明
教養の源泉としての古典に人生の指針を探る。政治哲学者が縦横に語る新しいシェイクスピアの世界。
目次
第1章 序論―政治哲学と文学
第2章 キリスト教徒とユダヤ人について―『ヴェニスの商人』
第3章 コスモポリタンと政治共同体―『オセロー』
第4章 異教徒の英雄の道徳―『ジュリアス・シーザー』
著者等紹介
ブルーム,アラン[ブルーム,アラン][Bloom,Allan]
1930年、アメリカ合衆国インディアナポリス生まれ。シカゴ大学に学び、1955年、哲学博士号取得。パリ、ハイデルベルク大学で研究・教授生活を送った後、シカゴ、イエール、コーネル、テル・アビブ、トロント大学にて教鞭をとる。1992年に死去の際は、シカゴ大学の社会思想の教授職にあった
松岡啓子[マツオカケイコ]
1948年、山梨県生まれ。東京大学文学部西洋史学科、同法学部卒。東京大学大学院法学政治学研究科(法哲学専攻)修士課程中退
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感想・レビュー
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viola
3
政治学・・ではないような気がしますが、かなり面白いシェイクスピア専門書。著者は別にシェイクスピアの研究者というわけではなく、プラトンやルソーを翻訳した政治哲学者なんだとか。やっぱり専門家以外の人が書いた方が面白くなりやすいのかもしれません。具体的には『ヴェニスの商人』『オセロー』『ジュリアス・シーザー』の三作品の論が収録されており、ヴェニスオセローが特に面白い。訳も悪くはないのですが、あまりにしつこく括弧で訳注が出てきてうざったいです。専門書を読む人が登場人物名やアリストテリス等を知らないわけがないし・・2012/08/30