内容説明
本書では、序論として法心理学と法律学との接触の歴史についての概説を述べ、引き続いて、手続構造の持つ意義について、訴訟過程の各段階ごとに考察を試みる。次に、5章までは証人の知覚や記憶の不安定性、裁判官の判断作用の特色、当事者の立証活動の特色などについて実証的な視点から考察をなし、それらを反映した訴訟手続の形態について議論する。そして後半においては、訴訟手続に紛争当事者が関与することのもつ意義を中心に考察する。
目次
民事訴訟と心理学
紛争解決過程における手続の選択
紛争解決と手続環境―弁論兼和解の心理学的考察
証人の尋問の心理(証人の心理;裁判官の心理;当事者の心理・今後の展望)
事実認定過程における手続関与の心理分析―証人尋問制度の心理学的考察補論
手続構造上の紛争解決促進要素の研究に向けての試論―シカゴにおける実態調査の紹介を中心にして
紛争解決とその後の義務の履行―アメリカにおける実証研究の紹介を中心にして
手続工学としての裁判心理学