内容説明
労働(雇用)を通じた稼得による生活維持を前提に、それを中断・喪失させた場合に所得保障給付を行う現代の法制度の基本的あり方が、歴史的にいかに形成され、いかなる法制度によって組成されてきたのか―14世紀から20世紀に至るイギリス法制史、特に旧救貧法から新救貧法を経て失業保険制度の成立へと至る過程を、“「労働」と「社会保障」の関係”という視点から考察。
目次
封建制下における労働移動の規制
浮浪者問題の変容と労働能力ある貧民に対する処遇の展開
旧救貧法体制の確立
労働移動の加速と旧救貧法体制の対応
19世紀救貧法改革における「問題」の構成
新救貧法体制の確立
労働者の困窮問題の発生とその解決策の不在
国営失業保険制度の創設とその意義
所得保障制度の確立―労働と所得保障給付の分離へ
著者等紹介
林健太郎[ハヤシケンタロウ]
1988年3月千葉県生まれ。2011年3月慶應義塾法学部法律学科卒業。2013年3月千葉大学大学院人文社会科学研究科修士課程修了。2017年3月早稲田大学大学院法学研究科単位取得退学、博士。2015年4月日本学術振興会特別研究員(DC2)。2017年4月北星学園大学社会福祉学部専任講師。2021年4月慶應義塾大学産業研究所専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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