内容説明
日本民訴法の母法成立史を該博な研究により活写。明治民訴法は1877年ドイツ帝国民訴法をモデル法とした。その条文をそのまま移しかえたといってよい。この法典の成立に重要な関与をしたレオンハルトの生涯の事跡を追う。
目次
A・レオンハルトの生涯―ドイツ帝国民事訴訟法(CPO)の成立史(ハノーファー王国の成立;ハノーファー王国の変遷;ハノーファーの一八五〇年法(H50)
ハノーファー草案(HE) ほか)
プロイセン一般裁判所法(前史;AGO;「職権主義訴訟法」の諸相;その後のAGO)
著者等紹介
鈴木正裕[スズキマサヒロ]
1932年東大阪市に生まれる。1955年京都大学法学部卒業。1970年神戸大学教授。1991年神戸大学学長。1995年神戸大学名誉教授。1996年甲南大学教授。現在、弁護士(1995年より)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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jntdsn13
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近代民事訴訟法史の泰斗である著者の手に係るドイツ近代民事訴訟法の論考二つが収録されている。第一はハノーファー王国の民訴法の起草からドイツ帝国司法大臣としてCPOを最終的に仕上げ、その後すぐ没したAdolf Leonhardtに寄せてその歴史を叙述する。当時の一大論点であった証拠裁判の執権効を中心に、ハノーファー王国の歴史なども詳しく、著者の歴史好きがうかがえる。第二はプロイセン以来のドイツ裁判所構成法の概略史であり、弁護士を排してすべて裁判官に代える壮大な社会実験の失敗と現代までの余波を論じる。2023/06/14