内容説明
本書は、デュルケム社会理論における法的諸相の明確化を通じて、これまで社会科学領域ではほとんど疑われることのなかった近代法の基礎構造や原理=自由・平等の意味を問い直している。この学際的考察の成果は、近現代にかけて生じた法の変化を、「私法の公法化」や「法の社会化、福祉化」と定義づける既存の見解を問い直す可能性を示唆している。
目次
第1部 前近代社会における犯罪、宗教、法(抑止法と機械的連帯;古代社会、未開社会における贈与交換と法;法の歴史的変遷)
第2部 近代社会における法と個人(復原法と有機的連帯;復原法の基礎構造)
第3部 近現代社会における法と個人(法と自生的秩序;抽象的復原法から具体的復原法へ;近現代における社会病理現象と復原法を通じた道徳的秩序の再構築)
第4部 要約と結論
著者等紹介
巻口勇一郎[マキグチユウイチロウ]
1973年静岡県に生まれる。1996年立命館大学産業社会学部卒業。1998年立命館大学大学院社会学研究科博士前期課程修了。2001年立命館大学大学院社会学研究科博士後期課程修了 博士(社会学)取得。立命館大学産業社会学部助手、同大学同学部非常勤講師を経て2002年より常葉学園短期大学専任講師、現在に至る
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