内容説明
グローバル化の進む国際的競争の中で、日本企業は、成果・能力主義賃金制度の一形態として年俸制を導入・普及させつつある。現在25%前後の企業が年俸制を導入している。本書は、ドイツの状況を理論的に検討した上で、日本の救済法理に見られる問題提起を、さらに一歩進めて、約款法理を通じて、より明確で説得力のある裁判所の内容コントロールの可能性を探ろうとするものである。
目次
第1章 成果主義賃金制度の問題性(労働市場と成果・能力主義賃金制度;研究の視角と対象)
第2章 ドイツ法(連邦労働裁判所による協約外職員の共同決定権;賃金決定に関する私的自治と事業所自治(Betriebsautonomie)の歴史的発展 ほか)
第3章 日本法(年俸制とわが国の労働市場・企業社会の特質;年俸制の導入と学説の形成 ほか)
終章 成果主義賃金の彼岸
著者等紹介
高橋賢司[タカハシケンジ]
1970年東京生まれ。1994年立教大学法学部卒業。1996年中央大学大学院法学研究科博士課程前期課程修了(修士号)。1996年中央大学大学院法学研究科博士課程後期課程入学。1997年ドイツ留学。2003年ドイツ・チュービンゲン大学法学博士号取得。2004年より立正大学法学部専任講師(労働法)
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