内容説明
本書の主たるテーマは、日露戦争以後に於ける日本外交の態様である。この時期の日本外交は、二つの焦点をめぐって展開される。一つは韓国と満州という日本にとって重大な関係を持った「主権範囲」、「利益範囲」であり、もう一つは欧米列強の外交が織りなす複雑かつ多元的な国際関係である。本書は、日露戦争以後に於ける日本の韓国、満州に対する外交政策決定過程とそれをめぐる欧米列強の反応、さらにそれに対する日本外交政策を実証的に分析、検討し、そしてそれを体系化しかつその特質を抽出しようとするものである。同時に、それは日本と欧米列強との間で熾烈に繰り広げられたパワー・ポリティクスの考察でもある。
目次
序論 課題の設定と研究方法
第1章 第一次桂内閣(小村外相)の外交政策―国権拡張外交
第2章 第一次西園寺内閣(林外相)の外交政策―国際協調外交
第3章 陸軍の満州政策
第4章 植民地政策と満州経営
第5章 第二次桂内閣(小村外相)の外交政策―満州懸案外交