内容説明
株主代表訴訟制度は昭和25年商法改正により、日本にはじめて導入された。しかし、その後長らく「濫用も活用もされない」状態にあった。この状態をかえる契機になったのは平成5年商法改正である。これにより株主代表訴訟法は一般と捉起しやすいものとなった。活性化され、世の注目を浴びるような株主代表訴訟が相次ぎ、活発に議論されるようになった。その生成と今後の展望を探る。
目次
第1編 株主代表訴訟の法的構造とその根拠(株主代表訴訟の構造に関する沿革的分析;株主代表訴訟の根拠と日本法における構造の分析;株主代表訴訟における会社および原告株主の地位;株主代表訴訟の濫用的利用の排除―担保提供制度の検討を通して ほか)
第2編 株主代表訴訟制度の改革の方向性(取締役の責任追究の意義;取締役の責任追及モデル;取締役の責任を追及する際の問題;取締役の責任追及の各モデルにおける問題発生と各国制度の対処 ほか)
第3編 日本型株主代表訴訟制度の応用可能性―親子会社・株式交換と多重的代表訴訟の問題の検討を通して(問題提起;多重的代表訴訟の必要性;アメリカ判例法における多重的代表訴訟の展開とその正統化理論;日本法における多重的代表訴訟の立法提言と解釈可能性 ほか)
おわりに(株主代表訴訟制度の沿革的分析;取締役の責任追及制度のモデル分析と株主代表訴訟の意義;日本型株主代表訴訟制度の応用可能性;結語)
著者等紹介
山田泰弘[ヤマダヨシヒロ]
1972(昭和47)年生まれ。1995(平成7)年3月名古屋大学法学部卒業。1997(平成9)年3月名古屋大学大学院法学研究科博士課程(前期課程)修了。2000(平成12)年3月名古屋大学大学院法学研究科博士課程(後期課程)修了。高崎経済大学講師・博士(法学)
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